上写真=史上最多の観客が見守る中、最後までスコアは動かず勝ち点1を分け合った(写真◎石倉利英)
■2025年3月8日 WEリーグ第13節(@Eピース:観衆20.156人)
S広島R 0-0 浦和
「感謝の気持ちでいっぱい」
2021年から始まったWEリーグのリーグ戦史上最多観客数は、1年目の2021-22シーズン第21節、東京・国立競技場で行なわれたINAC神戸-浦和戦の1万2330人。それを大きく上回り、史上最多にして初の2万人を超える観客が見守った戦いは、前半は浦和がボール支配率で圧倒。S広島Rを自陣に押し込んでゴールに迫るものの、最終局面でのプレー精度が低く、決定機を作るには至らない。
S広島Rは思うように敵陣に迫れない時間が続いたが、30分を過ぎたあたりから、ようやくゴール前まで攻め込めるように。だが35分にDF藤生菜摘のセンタリングをFW上野真実がヘッドで狙ったシュートが上に外れるなど、こちらもチャンスを生かせない。
スコアレスで折り返した後半はS広島Rも攻め込む時間を増やしたものの、浦和はしっかり対応してチャンスを作らせない。一方で攻撃は中央やサイドから何とか崩そうとするが、S広島Rは人数をかけてゴール前を固め、懸命にはね返した。
終盤はどちらも選手交代で局面を打開しようとしたものの、両チームの最終ラインの集中力は途切れず。結局、最後までスコアは動かず、勝ち点1を分け合った。
得点シーンはなかったものの、史上初の2万人超えのインパクトは絶大。S広島Rの吉田恵監督は「2万人を超えるお客さんがWEリーグの試合、レジーナの試合を見に来てくださったことに感謝の気持ちでいっぱい」と感謝した。
さらに浦和の楠瀬直木監督は「ゲームを支配できていただけに、残念な勝ち点1」とした上で、「それよりも、努力すれば2万人も集められるんだな、と」と感嘆。「何が勝利かと考えると、もちろんサッカーの勝敗はあるのですが、これから女子サッカーを継続していく上で、こういう活動をして、人を集めて話題性を作ることが次につながると思う。今日は広島さんのサポーター、クラブの方々を含め、敬意を表したいですし、我々も負けないように、女子サッカーを広げていく、認知度を高めていくために努力しなければいけない」と語った。
取材・写真◎石倉利英