2024年9月6日、今年も晩夏の長野県菅平高原に約1000人の大学生フットボーラーが集結し、第42回サッカーマガジンカップ・オープン大会が開幕する。今年は66チームが参加し、5日間の熱い試合を戦い抜く。

上写真=昨年の第41回大会を制したのは中央大学サッカー同好会A。実に18年ぶりの戴冠となった(写真◎黒崎雅久)

5日間の長丁場でチームが成長

 サッカーマガジンカップは1982年に第1回が開催された歴史ある大会で、今年で42回大会を迎える。まだサッカーがメジャースポーツとは言えない時代、競技の普及・発展のために立ち上げられたこの大会は、近年は大学の準体育会、同好会、サークルの「日本一」を決める大会と位置付けられている。

 この大会は、トップチームのみならず複数チームでエントリーできるため、4月に入学した新入生も含めて全員に出場機会があることも特徴だろう。5日間という長丁場の戦いの中で、チーム全員で寝食を共にしながらコミュニケーションを取り、喜怒哀楽を共有することで、大会中でも日に日に一体感が増していく。だからこそこの大会は、参加選手たちの間では“マガ杯”の愛称で親しまれ、年間スケジュールの中でも重要な大会となっている。

 今年は、昨年からさらに2チームが増え、66チームがエントリーした。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学、中央大学、青山学院大学といった東京近郊の名門私大のサークルが中心だが、関西からの刺客、同志社大学の三ツ葉キッカーズが4年生チームも含め2チームがエントリー、そして東北からは昨年初出場で旋風を巻き起こした東北学院大学Liberoも2年連続で出場する。今年も「日本一」を決めるに相応しい顔ぶれが揃った。

画像: 昨年は関西の雄・同志社大学三ツ葉キッカーズ(紫)が決勝まで駒を進めたが、中大同好会の前に辛酸を舐めさせられた(写真◎黒崎雅久)

昨年は関西の雄・同志社大学三ツ葉キッカーズ(紫)が決勝まで駒を進めたが、中大同好会の前に辛酸を舐めさせられた(写真◎黒崎雅久)

 たかが「サークル」、たかが「同好会」の大会と侮るなかれ。

 全国の大学には数多のサッカー同好会・サークルが存在するが、この“マガ杯”にやってくるチームは、サッカーのレベルもチームとしてのまとまりも別格だ。

 というのも、参加チームには全国高校選手権大会に参加経験を持つ選手や、Jクラブのユースでプレーした選手も珍しくない。その上、監督やコーチもいないサークルチームは、キャプテンを中心にチームの運営は全て学生たちに委ねられており、チーム戦術や日々のトレーニング、メンバー決めなどもすべて自分たちで決める。プレーに集中できる体育会サッカー部の学生以上に、自主性が重んじられている。だからこそ「自分たちのチーム」という一体感が生まれる。

彩りを与えるマネージャーの献身

 そしてまた、「同好会・サークル」を語る上で欠かせないのが、女子マネージャーの存在だ。ピッチ外では献身的にチームを支え、試合中は大声で応援歌を歌いチームを鼓舞する彼女たちの存在が、体育会サッカーとはまた違った「青春の匂い」を漂わせている。それらを含め、不真面目(見た目のチャラさ)と真剣(競技力・組織力の高さ)のギャップこそ、サークルサッカーの魅力と言えよう。

画像: 彩りを与えるマネージャーの献身
画像: 選手のケアを始めピッチの横で応援するマネージャーの存在もサークルサッカーには欠かせない存在(写真◎黒崎雅久)

選手のケアを始めピッチの横で応援するマネージャーの存在もサークルサッカーには欠かせない存在(写真◎黒崎雅久)

 そんな66チームが、5日間に渡る長丁場の戦いで、優勝から66位までの全順位を決めることになる。昨年の41回大会では、開催当初からこの大会に参加している名門・中央大学サッカー同好会が頂点に立った。ディフェンディングチャンピオンの今年度の代表、辻崎竜也が今大会への意気込みを語る。

「中大サッカー同好会57期が挑む今年のマガ杯は2連覇がかかった大事な大会です。今大会に向けて練習や練習試合で調整を行ってきました。私たちの意気込みを優勝という結果として残せるように頑張ります」

 果たして中大同好会の連覇はなるか、それとも今年春の新関東リーグカップ戦において、準決勝で中大同好会を破って頂点に立った早稲田大学FC.GUSTAがカップ戦に続く2冠を達成するのか。いずれにせよ、己の力を信じ、仲間を信じ、日本一の一体感を体現したチームが、晩夏の菅平に勝利の凱歌を轟かせることになる。

画像: マガ杯を戦う5日間でさらにチームの一体感が高まる(写真◎サッカーマガジン)

マガ杯を戦う5日間でさらにチームの一体感が高まる(写真◎サッカーマガジン)

【今大会参加全チーム】

早稲田大学稲穂キッカーズ A
早稲田大学稲穂キッカーズ B
早稲田大学稲穂キッカーズ C
早稲田大学稲穂キッカーズ D
早稲田大学HUMAN FC A
早稲田大学HUMAN FC B
早稲田大学HUMAN FC C
早稲田大学FC GUSTA A
早稲田大学FC GUSTA B
早稲田大学FC GUSTA C
早稲田大学理工サッカー部 A
早稲田大学理工サッカー部 B
早稲田大学理工サッカー部 C
早稲田大学理工サッカー部 D
早稲田大学荒友キッカーズ A
早稲田大学荒友キッカーズ B
早稲田大学親友キッカーズ
慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部 A
慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部 B
慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部 C
慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部 D
慶應義塾大学慶應キッカーズ A
慶應義塾大学慶應キッカーズ B
慶應義塾大学Vermüle
明治大学体同連サッカー部 A
明治大学体同連サッカー部 B
明治大学Groovykids A
明治大学Groovykids B
明治大学生田サッカー部蹴友会 A
明治大学生田サッカー部蹴友会 B
明治大学生田サッカー部蹴友会 C
明治大学生田サッカー部蹴友会 D
中央大学サッカー同好会
中央大学サッカー同好会 プリンス
中央大学サッカー同好会 マイムマイム
中央大学体同連フースバルクラブ A
中央大学体同連フースバルクラブ B
中央大学体同連フースバルクラブ C
中央大学体同連フースバルクラブ D
中央大学MAPLE A
中央大学MAPLE B
中央大学MAPLE C
法政大学工体連サッカー部 A
法政大学工体連サッカー部 B
法政大学工体連サッカー部 C
法政大学学団連サッカー部
立教大学サッカー愛好会 A
立教大学サッカー愛好会 B
立教大学サッカー愛好会 C
立教大学FC立教 A
立教大学FC立教 B
青山学院大学理工サッカー部 A
青山学院大学理工サッカー部 B
青山学院大学理工サッカー部 C
明治学院大学白金FC
上智大学サッカー愛好会イーグル A
上智大学サッカー愛好会イーグル B
同志社大学三ツ葉キッカーズ A
同志社大学三ツ葉キッカーズ B
東北学院大学Libero
指定蹴球共同組合 hechimers
矢上ユナイテッド
中央大学サッカー同好会56期
明治体同連三田村支部
同志社大学四ツ葉キッカーズ
所沢麦乳愛好会

<昨年大会のハイライト動画はこちら>

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