上写真=優良IT企業11社が集まって行われたITサッカーリーグは、フロンタウン鷺沼で2日間にわたり白熱した試合が繰り広げられた(写真◎斉藤豊)
多様なIT関連企業が参加
IT業界の発展と企業間の交流を目的とするITスポーツリーグは1991年に発足し、野球、サッカー、テニスなど様々な種目の大会を開催している。毎年、初夏に行われるITフットサルリーグは、2002年創設のITサッカーリーグから派生して2021年に始まり、4年目を迎えた今大会には、初出場のFPTジャパンホールディングス株式会社、コムチュア株式会社、株式会社シイエヌエスの3社を含む計11チームが参加した。
今大会は、2回戦総当たり(各チームと2試合ずつ対戦)のリーグ戦で順位が争われ、女性選手のゴールは3得点、男性シニア選手(50歳以上)のゴールは2得点とする恒例のローカルルールを採用。女性選手やシニア選手を前線に配して高得点を狙うチームもあれば、1試合(8分間)の中で選手交代を繰り返すチームもあり、それぞれの戦い方にチームカラーが表れた。
今大会のベストレディース賞に輝いたテクマトリックス株式会社の藤野日向子さんは、今年3月に入社したばかりのニューカマー。小学3年生から中学1年生までサッカーのプレー歴があり、同社サッカー部の先輩に誘われて今大会に参加したというフジノさんは、「思ったより体が動かなかったけど…(笑)、とても楽しかったです。今回はゴールを決められなかったので、次回リベンジしたいです」と笑顔で語った。
老若男女がコートに会する中、IT業界を象徴するダイバーシティ(多様性)を特に示したのは、初参加のFPTジャパンホールディングスだった。同社はベトナム最大のIT企業であるFPTソフトウェアの日本法人で、今大会には日本人社員とベトナム人社員の混成チームで出場。キャプテンを務めた千葉俊郎さんによると、社内にはサッカー愛好者が多く、今大会への参加を呼び掛けると、すぐに希望者が集まったという。
「普段は、日本に支社を置くベトナム企業同士のフットサル大会に参加しているのですが、今回初めて、日本企業を中心とする大会に参加しました。ベトナム企業の大会と比べると、ITフットサルリーグはかなり真剣で、レベルが高かったです。今回はあまり勝てなかったので、ベトナム人のみんなはしょんぼりしていましたが(笑)、とても楽しんでくれました。次回もぜひ出たいと思っています」(FPTジャパンホールディングス・千葉さん)
「MIPはチームメイトのおかげ」
いきなり勝てるほど甘くないのがITフットサルリーグだが、悔しさをバネにして今大会で躍進したのが株式会社スピンテクノロジーだ。初参加となった前回大会は1日目で最下位に沈み、総合順位でも12チーム中9位に終わった。同社の代表取締役社長で、フットサルではGKを務める岡田佳祐さんは、「去年はチームを作ったばかりで体力がなく、全然走れなかったんです」と振り返り、その後は定期的に活動を行ってコンディションを整え、満を持して2度目のITフットサルリーグに臨んだ。
今大会のスピンテクノロジーは、1日目の初戦で日本ビジネスシステムズ株式会社に敗れたものの、そこから7連勝を飾って首位ターンに成功し、2日目は3連勝スタートと順調な滑り出し。その後も順調に勝ち点を積み重ね、最終戦で再び顔を合わせた日本ビジネスシステムズとの上位対決をドローで乗り切り、2日間合計の順位勝ち点を20に伸ばして見事初優勝を飾った。
表彰式で優勝チームを代表し、マイクの前に立ったスピンテクノロジーの功刀雅也さんは、「初参加だった昨年は下位に終わりましたが、一人ひとりが技術を高め、みんなで力を合わせて、このような結果をつかむことができて感無量です」と喜びを語り、参加チームの投票によって決まるMIP賞は、スピンテクノロジーの守護神として全試合に出場した岡田さんが受賞。まさにチームの顔として大活躍し、文句なしの受賞だったが、岡田さんは「チームメイトがシュートコースを限定してくれたおかげです」と仲間への感謝を忘れなかった。
今年度のITフットサルリーグは終了したが、7月6日(土)に「第21回ITサッカーリーグ」が開幕し、10月26日(土)には「ITフットサル One Day大会」の開催が予定されている。表彰式でプレゼンターを務めた、今年度ITサッカーリーグの幹事会社・日鉄ソリューションズ株式会社の佐々木紘史さんは、「リモートワークが普及する中、こうして社員同士が顔を合わせて、一緒にスポーツができる意義は非常に大きいものになっていると感じます。今後もこういった活動を通じて、IT業界を盛り上げていければ」と今後の抱負を語った。
【大会概要】
第4回ITフットサルリーグ
■日程:2024年6月1日(土)、6月16日(日)
■会場:フロンタウンさぎぬま
■主催:IT SPORTS連盟
■協賛:キリンビバレッジ株式会社/協和ゴム株式会社
■後援:株式会社ベースボール・マガジン社/一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会
【大会結果】