上写真=決勝をゴールを決めて喜びを爆発させるフランシスコ・コンセイソン(写真◎Getty Images)
■2024年6月18日 グループステージ1節・F組(@フランクフルト)
ポルトガル 2−1 チェコ
得点:(ポ)オウンゴール、フランシスコ・コンセイソン
(チ)ルカーシュ・プロボド
交代策がずばり!
試合開始から60分まで押していたのはポルトガルの方だった。ボールを握り、敵陣でプレーするシーンが目立つ。チェコを押し込んだ状態からセカンドボールを拾って連続攻撃も展開。クリスティアーノ・ロナウドもスルーパスに反応してのシュートや直接FKで何度かゴールに迫った。
だが、ゴール前のチェコの守備は固く、崩れない。そればかりか、逆にポルトガルが先制を許すことになる。
クフタに代えてリングル、シックに代わってヒティルを投入し、チェコがチームの活性化を図った直後の62分だった。ドウデラの左クロスをボックス内でツォウファルが拾い、後方に優しく落とすと、プロボドが右足を一振り。狙いすましたシュートがゴールに突き刺さり、押されていたチェコが均衡を破った。
攻めあぐねていたポルトガルもこの失点を機に動く。ラファエル・レオンに代えてジョタ、ダロトに代えてゴンサロ・イナシオを投入。すると今度はポルトガルの交代が当たり、ネットが揺れる。
ビティーニャが右から入れたクロスをボックス左でヌーノ・メンデスが折り返すと、GKスタニェクが反応して弾いたものの、ボールがチェコCBのフラナーチに当たってそのままゴールイン。オウンゴールでポルトガルが同点に追いついた形だが、直前の選手交代で入ったジョタとC・ロナウドがきっちりゴール前に詰めていたことでチェコ守備陣に混乱が生じていたことも大きかった。
同点追いつき、勢いを得たポルトガルは87分にC・ロナウドのポスト直撃のヘディングシュートの跳ね返りにジョタが詰めてネットを揺らしたが、カンセロが右からクロスを送った時点でC・ロナウドがオフサイド。ゴールは取り消しとなった。
そのまま同点で試合終了かと思われた、後半のアディショナルタイム。勝負を決める1点が刻まれた。90分にヌーノ・メンデスに代わって登場したネトが左サイドを攻略して鋭いクロスを送ると、CBフラナーチが反応するもクリアできず、こぼれたところをフランシスコ・コンセイソンがシュート。今年3月に代表に招集されたばかりの21歳が土壇場で逆転ゴールをねじ込んだ。
フランシスコ・コンセイソンはポルトの10番を背負い、国内では期待の俊英。そして父は、代表でも活躍した、あのセルジオ・コンセイソン。EURO2000のドイツ戦で伝説のハットトリックを達成した父の遺伝子を持つ男が、2016年以来2度目の優勝を目指すチームを勝利に導いた。