9月8日に開幕した第41回サッカーマガジンカップ・オープン大会は11日、最終日となる大会5日目を迎えた。優勝を争う決勝トーナメントでは、13時から菅平高原サニアパーク・メイングラウンドにおいて決勝が行なわれ、中央大学サッカー同好会が2−0で同志社大学三ツ葉キッカーズAに勝ち、2005年以来18年ぶり、史上最多を更新する7度目の優勝を「全試合無失点」で成し遂げた。

上写真=悲願の王座奪還を成し遂げた中大同好会。優勝カップとともに喜びを爆発させた(写真◎斉藤豊)

全試合無失点の完全優勝

 サッカーマガジンカップ(通称:マガ杯)は1982年に第1回が開催された歴史ある大会で、今年で41回大会を迎えた。近年は大学の準体育会、同好会、サークルの「日本一」を決める大会と位置付けられ、昨年の40回大会では、早稲田大学の稲穂キッカーズが参加48チームの頂点に立っている。

 大会最終日となる5日目、参加した全64チームが最後の1試合を戦い、全順位が決定した。決勝トーナメントの決勝に先駆けて行なわれた3位決定戦の立教大学サッカー愛好会A対Be Legendsは、立教愛好会Aが先制、いったんは追いつかれる展開も、終盤に2点を追加して突き放し、3-1で勝利した。

画像: 3位決定戦では立教愛好会が勝利。うまく交代選手を使いながら最後まで運動量が落ちなかった(写真◎斉藤豊)

3位決定戦では立教愛好会が勝利。うまく交代選手を使いながら最後まで運動量が落ちなかった(写真◎斉藤豊)

 13時からは、いよいよ参加64チームの頂点を決める決勝。菅平高原が誇るサニアパーク・メイングラウンドの天然芝ピッチで行なわれた。

 栄えあるファイナリストは、同志社大学三ツ葉キッカーズA(三ツ葉A)と、中央大学サッカー同好会(中大同好会)。今大会唯一の関西から参戦した三ツ葉Aは悲願の初優勝を、史上最多6度の優勝を誇りながら、近年は優勝から遠ざかっている名門・中大同好会は18年ぶり7度目の戴冠を狙う決勝となった。

 三ツ葉Aは決勝トーナメントに入ってわずか1失点、中大同好会にいたっては予選リーグを含めて全試合無失点で勝ち上がってきた。その実績どおり、序盤からお互いにコンパクトな陣形の中で組織的な鋭い寄せと対人の強さを見せ、チャンスというチャンスを作らせない。

 こうなると、得点を挙げるには組織を打開する「個の力」が必要となる。それを見せつけたのは中大同好会だった。

「ここまで無失点で来ることができたのはセンターバック2人の安定感のおかげ。決勝は何としても自分の力でチームを勝たせたかった」

 エースのキャプテン信岡光が振り返る。飲水タイム明けの18分、味方のヒールパスを受けて相手守備網をスピードあふれるドリブルで切り裂くと、左足を一閃。この試合、最初のチャンスで貴重な先制点をチームにもたらした。

 後半に入ると、コンディション不良者を多く抱える三ツ葉Aの運動量が徐々に落ちるにつれて、中大同好会が相手ゴールに迫る回数が増えていく。サイド攻撃やミドルシュートで連続してゴールを脅かすと、52分、またも相手DFとのスピード勝負に競り勝った信岡が、再びGKとの1対1を制し、勝利に大きく近づく2点目。そのまま2-0で勝ち、歓喜の瞬間を迎えた。

画像: 決勝で2ゴールの信岡⑨は見事に大会最優秀選手に選出された(写真◎斉藤豊)

決勝で2ゴールの信岡⑨は見事に大会最優秀選手に選出された(写真◎斉藤豊)

「ウノ・ゼロ」は信頼の象徴

 キャプテン信岡の個の力を見せつけた2ゴールで18年ぶりの優勝を手繰り寄せたが、その信岡が絶大な信頼を寄せる2CBの存在は、決勝の舞台でも輝いていた。最後の一戦も無失点で終え、大会を通じて全試合無失点という偉業を成し遂げている。

 そのCBの一人、阿部真珠は守備へのこだわりを明かす。

「ピッチ上でよくしゃべること。周りの仲間と常にコミュニケーションを取って、相手がどこにいるか、味方がどう動くかを、僕たちセンターバックがチームメイトに指示することで、初めてチームとしてしっかり守備が機能するので。ウチはウノ・ゼロ(1-0での勝利)のチームですから」

画像: 三ツ葉Aの攻撃陣を素早く取り囲む中大同好会の守備。予選も含め含め全8試合無失点での優勝という偉業を成し遂げた(写真◎斉藤豊)

三ツ葉Aの攻撃陣を素早く取り囲む中大同好会の守備。予選も含め含め全8試合無失点での優勝という偉業を成し遂げた(写真◎斉藤豊)

 その上で、信岡が守備陣を信頼するように、守備陣もまた信岡ら攻撃陣に絶大な信頼を寄せている。阿部は続ける。

「僕たちがゼロに抑えていれば、必ず点を取ってくれると信じています」

 攻撃陣と守備陣が「ウノ・ゼロ」の共通意識の下、仲間を信じて勝利を追い求めた中大同好会が、41回目の王者にふさわしいサッカーで頂点に上り詰めた。

【大会最終結果】

優勝:中央大学サッカー同好会

画像1: 【大会最終結果】

準優勝:同志社大学三ツ葉キッカーズA

画像2: 【大会最終結果】

3位:立教大学サッカー愛好会A

画像3: 【大会最終結果】

4位:Be Legends

画像4: 【大会最終結果】

5位:法政大学学団連サッカー部
6位:早稲田大学FC.GUSTA A
7位:早稲田大学HUMAN F.C. A
8位:明治大学Groovykids A

9位:FC NINDO A
10位:早稲田大学理工サッカー部 A
11位:早稲田大学稲穂キッカーズB
12位:青山学院大学理工サッカー部A
13位:明治大学体同連サッカー部A
14位:東北学院大学Libero
15位:立教大学サッカー愛好会B
16位:走る高田馬場

17位:立教大学FC立教
18位:明治大学体同連サッカー部D
19位:法政大学工体連サッカー部A
20位:慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部B
21位:同志社大学三ツ葉キッカーズB
22位:中央大学体同連フースバルクラブA
23位:中央大学体同連フースバルクラブD
24位:中央大学MAPLE C

25位:早稲田大学理工サッカー部B
26位:中央大学MAPLE A
27位:明治大学生田サッカー部蹴友会A
27位:明治大学体同連サッカー部C
29位:慶應義塾大学Verm?le A
30位:所沢乙杯愛好会
31位:早稲田大学FC.GUSTA B
32位:早稲田大学稲穂キッカーズD

33位:早稲田大学稲穂キッカーズA
34位:早稲田大学HUMAN F.C. B
35位:慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部A
36位:明治大学Groovykids B
37位:中央大学体同連フースバルクラブB
38位:早稲田大学荒友キッカーズA
39位:慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部C
40位:FC NINDO B

41位:中央大学サッカー同好会マイムマイム
42位:中央大学サッカー同好会プリンス
43位:中央大学体同連フースバルクラブC
44位:中央大学MAPLE B
45位:早稲田大学稲穂キッカーズC
46位:立教大学サッカー愛好会C
47位:早稲田大学理工サッカー部D
48位:上智大学サッカー愛好会EAGLE

49位:青山学院大学理工サッカー部B
50位:末吉レモン会
51位:明治大学生田サッカー部蹴友会B
52位:慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部D
53位:法政大学工体連サッカー部B
54位:明治大学体同連サッカー部B
55位:青山学院大学理工サッカー部C
56位:明治大学生田サッカー部蹴友会C

57位:早稲田大学理工サッカー部C
58位:早稲田大学HUMAN F.C. C
59位:早稲田大学FC.GUSTA C
60位:早稲田大学荒友キッカーズB
61位:慶應キッカーズA
62位:慶應義塾大学Verm?le B
63位:法政大学工体連サッカー部C
64位:慶應キッカーズB

【個人表彰】

●総合ベストイレブン(18名)

画像1: 【個人表彰】

1 景山敬太(立教大学サッカー愛好会A)
2 野田翔太(中央大学サッカー同好会)
3 森山純平(早稲田大学FC GUSTA A)
4 阿部真珠(中央大学サッカー同好会)
5 河野 龍(立教大学サッカー愛好会A)
6 市川翔大(法政大学学団連サッカー部)
7 小亀将治(同志社大学三ツ葉キッカーズA)
8 三輪大翔(中央大学サッカー同好会)
9 新谷唯我(Be Legends)
10 信岡 光(中央大学サッカー同好会)
11 松原颯也(同志社大学三ツ葉キッカーズA)
12 村山英悟(中央大学サッカー同好会)
13 中 陽生(同志社大学三ツ葉キッカーズA)
14 小山尚紀(早稲田大学HUMAN F.C A)
15 荒木陽水(明治大学Groovykids A)
16 加藤翔太(Be Legends)
17 上田翔太(立教大学サッカー愛好会A)
18 宇山友貴(立教大学サッカー愛好会A)

●ルーキーベストイレブン(11名)

画像2: 【個人表彰】

1 稲垣オリヴァー(明治大学体同連サッカー部A)
2 大島羽瑠(同志社大学三ツ葉キッカーズA)
3 末森遥来(法政大学学団連サッカー部)
4 磯良瑠偉(中央大学サッカー同好会)
5 森田敬太朗(同志社大学三ツ葉キッカーズA)
6 バンビューソン春希クリストファー(早稲田大学FC GUSTA A)
7 小嶋健聖(早稲田大学HUMAN FC A)
8 井幡 陸(同志社大学三ツ葉キッカーズA)
9 福原航海(法政大学学団連サッカー部)
10 仲川颯一(中央大学サッカー同好会)
11 野木夢翔(東北学院大学Libero)

●最優秀選手
信岡 光(中央大学サッカー同好会)

画像3: 【個人表彰】

●得点王
橋本航輝(明治大学Groovykids/8得点)

画像4: 【個人表彰】

●新人王
井幡 陸(同志社大学三ツ葉キッカーズA)

画像5: 【個人表彰】

<大会最終日のハイライト動画はこちら>

画像: 第41回サッカーマガジンカップ オープン大会2023【大会最終日】 youtu.be

第41回サッカーマガジンカップ オープン大会2023【大会最終日】

youtu.be

第41回サッカーマガジンカップ オープン大会2023
会場:長野県上田市菅平高原内芝生グラウンド
主催・運営:株式会社毎日コムネット
後援:株式会社ベースボール・マガジン社
協力:上田市、菅平高原観光協会、菅平高原旅館組合、菅平高原グランド部会
特別協賛:エベスポーツ柏
協賛:サントリービバレッジソリューション株式会社 関東甲信越支社
商品協賛:エクスプロージョン合同会社

大会公式ツイッター
https://twitter.com/soccerM_cup


This article is a sponsored article by
''.