U−22日本代表はパリ五輪の1次予選に当たる『AFC Uー23アジアカップ予選』(@バーレーン)に臨んでいる。初戦の前にDF西尾隆矢(C大阪)が大会に臨む意気込みを語った。灼熱のバーレーンで取材を続ける飯尾篤史氏がリポートする。

上写真=所属クラブで難しい時期を過ごす西尾隆矢だが、代表活動で結果を出し、再び上昇気流に乗りたいところだ(写真◎飯尾篤史)

足りないものがあるからこういう結果を招いた

 パリ五輪アジア1次予選という位置づけのU23アジアカップ予選に臨むにあたって、セレッソ大阪の西尾隆矢が「予選を突破する」という目標とともに口にしたのは、感謝の言葉だった。

「自チームのリーグ戦に出られていないですけど、それでも選んでもらって、感謝の気持ちがあります。その期待に応えないといけない。ここからまた新たな競争も始まるので、しっかりアピールしたいと思います」

 2年続けて副キャプテンを務める今季、開幕2試合はスタメンだったが、それ以降はサブにとどまり、ベンチ外の試合も少なくない。3月以降は、もっぱらカップ戦要員と化してしまった。

 失ったポジションを奪い返すために、何が必要なのか。

 そんな質問に対する西尾の答えは、「すべて」だった。

「今、自チームで試合に出ている選手たちのほうが自分より上というのは明らか。もちろん、自分も負けてないっていう部分もありますが、最後に選ぶのは監督。選んでもらえるように、すべての能力を高めたい。何かを変えるというより、1日1日の練習が大切になってくる。そこで常に100%でやり続ければ、自ずとチャンスが転がってくるのかなと」

 振り返れば、22年1月、多くの同世代に先駆けてA代表の合宿に呼ばれ、U-21日本代表の立ち上げとなった22年3月のドバイカップではキャプテンマークを託されていた。

 ディフェンスリーダーとして期待されていたものの、C大阪でポジションを失ったため、パリ五輪予選や本大会が近づいてくるなかで、招集外となることも増えていた。

「焦りもあるんですけど、自分に足りないものがあるから、こういう結果を招いたと自覚しています。これを、ただ時間がすぎる期間にしたくない。選手として成長するには、こういう時間も必要だとポジティブに受け止めて、この時間を大事にしていきたい」

 いつか、あの苦しいときがあったから、今があると言えるように――。感謝の気持ちを胸に、代表活動中も100%でトレーニングに臨み、西尾はパリ五輪アジア1次予選を戦い抜く。

文・写真◎飯尾篤史


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