一般社団法人日本スポーツプレス協会(AJPS)が制定する『AJPSアワード』の受賞者が決定した。サッカー日本代表の用具の準備・管理を担当するキットマネジャーの麻生英雄氏だ。

上写真=日本代表のキットマネジャー、麻生英雄氏

光栄のひと言に尽きます

『AJPSアワード』は、スポーツ界の発展に大きく寄与し、いなくてはならない存在として選手や競技を支える『Unsung Hero』(縁の下の力持ち)を称える賞で、2007年から表彰者を発表している。

 今回、受賞したのは麻生英雄さんは、日本代表がワールドカップに初出場した1998年のフランス大会から昨年のカタール大会まで、ただ一人、7大会すべてに参加している人物だ。

 W杯のたびに、日本代表の試合後のキレイに清掃されているロッカーが注目されるが、98年の初出場以来ずっと、開催国への礼儀として清掃を続けてきた。今回の受賞は、表には出ないこうした活動によって、日本サッカーの国際的な評価を高めた功績を称えている。

 今回の受賞について麻生さんは、「賞をいただけるのは、光栄のひと言に尽きます。私が過去にもらった賞といえば、皆勤賞くらいです。7大会連続での参加も、日本代表がW杯に出場してこその結果です。代表チーム、日本サッカー協会、スタッフのみなさんに心から感謝したいと思います。また、Jリーグが始まった当時は、決まったマニュアルや前例がなく、同じ任務に就く各クラブの皆さんと共に試行錯誤しながら仕事を作りあげてきました。そうした関係者の皆さんにも心からお礼を申し上げます。
 日本代表が使用したロッカーの掃除については、場所(ロッカー)をどこかでお借りした以上、きれいにしてお返しするのが日本の文化で、特別なことではないと思って来ました。私も、ほかのスタッフ皆さんとともに、日本代表の新たなチャレンジを支えていきます。」と喜びを語っている。

◆プロフィール◎麻生英雄(あそう・ひでお)
1975年8月1日、神奈川県小田原市生まれ、47歳。県立足柄高ではバドミントン選手でサッカー経験もなく、大学浪人中に偶然手にしたアルバイト求人雑誌で、スタッフを一般公募していたJリーグ「横浜フリューゲルス」に採用され、1995年1月入社。当初は「インナー(シャツ)取って」と選手に言われても、「インナーって何ですか?」と逆に質問するほどだった。W杯アジア予選が初めてホーム&アウェー方式となった1997年の最終予選から現在まで、日本代表の全ての活動に帯同してきた。2007年に、スポーツチームの用具管理や、次代の人材育成を展開する「株式会社BOTTOM UP」を設立し、副社長に就任。

【AJPSアワードの受賞者】
2007年度(第1回) 浦和レッドダイヤモンズ(サッカーACL優勝)
2008年度(第2回) 北島康介(水泳、2大会連続五輪金メダルなど)
2009年度(第3回) 鈴木憲美(グラウンドキーパー、国立競技場の芝管理)
2010年度(第4回) 小野学(スキー、ジャンプコーチとして日本を導く)、特別賞・大日向邦子(チェアスキー)
2011年度(第5回) 藤田信之(陸上競技、五輪金メダリスト育成など)
2012年度(第6回) 平井伯昌(水泳、五輪金メダリスト育成など)
2013年度(第7回) 久保田五十一(野球バット製作、名選手のバット製作など)
2014年度(第8回) 朴柱奉[パク・ジュボン](バドミントン、日本代表ヘッドコーチ)、寺本進(セパタクロー、20年にわたって第一線で活躍) 
2015年度(第9回) 臼井二美男(スポーツ用義足開発の第一人者)
2016年度(第10回) 八反田孝行(女子アイスホッケー監督)
2017年度(第11回) 長田照正(富士急スケート部顧問)
2018年度(第12回) 池田敬子(全日本ジュニア体操クラブ連盟会長)
2019年度(第13回) 日本陸上競技連盟男女競歩チーム
2022年度(第14回) 釜本美佐子(日本ブラインドサッカー協会元理事長)


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