ITスポーツ連盟が主催する第19回ITサッカーリーグの第5節が11月19日(土)、横浜FC東戸塚フットボールパークで開催された。3年ぶりの開催となった今季は最終節まで優勝争いが繰り広げられ、初出場の日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)が見事に優勝を飾った。

 IT業界の発展と企業間の交流を目的に、ITスポーツ連盟が主催する第19回ITサッカーリーグは、アイエックス・ナレッジ株式会社(IKI)、株式会社DYM、日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)、株式会社フォーカスシステムズのIT関連企業5社が参加し、9月から約2カ月間をかけてリーグ戦を行ってきた。

 この日の最終節を前に、優勝の可能性は、初出場のNSSOL、3大会ぶり2度目の優勝を目指すJBSの2チームに絞られ、勝ち点で並ぶ両者が最終節で激突。注目の「優勝決定戦」は今季の王座を争うにふさわしい好勝負となり、序盤から一進一退の展開となったが、後半開始早々に1点を奪ったNSSOLが接戦を制し、初出場ながら全勝優勝という快挙を成し遂げた。

 全日程を終えたあとには閉会式および表彰式が行なわれ、入賞チームにトロフィーと副賞が贈られたほか、NSSOLの矢野将伍選手がMVP、得点王、ベストイレブンの個人賞三冠を達成。矢野選手は「初出場初優勝は最初しか狙えないので、喜びもひとしおです」と優勝の喜びを語り、MVP受賞については「たくさん点を取らせてもらったのも、チームのみんなが走って、ボールをつないでくれたおかげです」と同僚たちに感謝した。

画像: 第19回ITサッカーリーグはコロナ禍を乗り越え無事に全節を消化。閉会式・表彰式ではピッチ上とは違う和やかな雰囲気で行われた(写真:高野徹)

第19回ITサッカーリーグはコロナ禍を乗り越え無事に全節を消化。閉会式・表彰式ではピッチ上とは違う和やかな雰囲気で行われた(写真:高野徹)

 大会運営委員長を務めるJBSの鈴木良選手兼監督が「3年ぶりの開催ということで、どうなるかなという心配もありました」と言うように、コロナ禍の影響で、どのチームも過去2年間は満足な活動を行うことができずに今大会を迎えたが、いざ始まってみれば、どの試合も以前と変わらない真剣勝負がピッチで繰り広げられ、「すごく見応えのあるリーグ戦になったと思います」(鈴木選手兼監督)。

画像: 大会運営委員長でありJBSの監督兼選手でもある鈴木良氏。難しい時期のリーグ開催を無事に終えたその表情は安堵と誇りが混じっていた(写真:高野徹)

大会運営委員長でありJBSの監督兼選手でもある鈴木良氏。難しい時期のリーグ開催を無事に終えたその表情は安堵と誇りが混じっていた(写真:高野徹)

 初出場だったNSSOLの佐々木紘史選手兼監督は、「コロナの影響でリモートワークが多くなり、社員間のつながりが疎かになっている中で、こうしてサッカーで、チームとして社員一丸となれるという可能性をすごく感じました」と大会の魅力を語り、MVPの矢野選手は「来季もぜひ参加し、2年連続で優勝とMVPを狙いたい」と宣言。優勝を逃したチームも、20回の節目を迎える来季に向けて静かに闘志を燃やしつつ、今季のITサッカーリーグが幕を下ろした。

第1試合
NSSOL 1-0 JBS

画像: 今季リーグの天王山を制したNSSOL。矢野が挙げた1ゴールが決勝点となった(写真:高野徹)

今季リーグの天王山を制したNSSOL。矢野が挙げた1ゴールが決勝点となった(写真:高野徹)

 試合前の順位は、首位がNSSOL(得失点差+11)で、2位がJBS(得失点差+10)となっており、JBSは最終戦で勝利しないと優勝することができないという条件の下、注目の「優勝決定戦」はキックオフを迎えた。序盤からインテンシティーの高い攻防が繰り広げられる中、勝たなければいけないJBSが徐々に主導権を握ったが、後半開始早々の31分、スルーパスに抜け出したFW矢野がGKとの1対1を制し、首位のNSSOLが先制点を奪取。2点が必要になったJBSはここから猛攻に出て、何度もゴール前まで迫ったが、NSSOLが粘り強い守備で最後の一戦を割らせず、逃げ切ったNSSOLが全勝で初優勝を手にした。

【出場メンバー】
NSSOL:GK山谷浩介、DF新沼由輝、吉田哲治、外間拓海、MF鈴木浩大、椿野駿平、森崇晃(48分、原口徹)、三宅一輝(30分、氏原伸裕)、田中滉大(40分、長谷川諒)、FW矢野将伍、佐々木紘史(56分、藤田飛天)

JBS:GK稲井隆太、DF齊藤優大、戸塚拓磨、小島陸(42分、一場空杜)、和田健太、MF清部圭太(46分、長尾泰治)、繁野竜介(50分、鈴木良)、小野翔矢、風祭佑太(55分、松尾瞭汰)、大和将也(37分、安達捷)、FW木下諒人

第2試合
FOCUS 1-5 DYM

画像: DYMが試合の主導権を握りゴールを重ねる。失点を1にとどめ、総合3位に入った(写真:高野徹)

DYMが試合の主導権を握りゴールを重ねる。失点を1にとどめ、総合3位に入った(写真:高野徹)

 開始1分にFW鷲塚が先制点をマークし、勢いに乗ったDYMのペースで試合は進んだ。その後はなかなか追加点を奪えずにいたが、20分にMF加藤が巧みなコントロールからシュートを突き刺し、前半は2-0で終了。後半もボールを支配したのはDYMで、36分、43分にネットを揺らしてハットトリックを達成した鷲塚は、47分にもゴールを奪い、4得点の大爆発。終盤はFOCUSにチャンスが訪れ、50分、左サイドから切り込んだ小川がミドルシュートを叩き込んで1点を返したが、反撃もここまで。最終戦で今季初勝利を挙げたDYMは得失点差でIKIを上回り、逆転で3位入賞を果たした。

【出場メンバー】

FOCUS:GK三森慎也、DF松元恵三、坂野進、MF相原瞬、大谷友樹、小川辰也、小林良綺、芳賀信吾、鈴木佑弥、FW畑山芳文

DYM:GK村山璃空、DF城内勇人、羽賀健太、濱野雄大、MF澤口和哉、大道脩平、野口将史、塚本海、加藤慎介、松村裕太、FW鷲塚蓮

第3試合(交流戦)
IKI 2-4 アーシャルデザイン

画像: フットサル大会常連のアーシャルデザインがIKI相手に底力を見せ4得点。来季の参入が期待される(写真:高野徹)

フットサル大会常連のアーシャルデザインがIKI相手に底力を見せ4得点。来季の参入が期待される(写真:高野徹)

 第3試合は、ITフットサル大会の常連である株式会社アーシャルデザインをゲストに迎え、IKIと交流戦を実施。1-1で折り返した後半、アーシャルデザインが勝ち越しゴールを奪うも、IKIも負けじと反撃し、PKによるゴールで2-2に追いつく。終盤はオープンな展開となって互いにチャンスを迎えたが、高い決定力を見せたアーシャルデザインが2ゴールを追加して勝利を飾った。

第5節 MIP
FW畑山芳文(FOCUS)

画像: 第5節 MIP FW畑山芳文(FOCUS)

 今大会の登録選手で最年長の大ベテランが、最終節で今季初先発。前節は後半途中からのわずかな出場時間だったが、この日はキックオフから試合終了までピッチに立ち続け、最前線で果敢にゴールに迫った。

2022 第19回ITサッカーリーグ 総合順位

優勝:NSSOL(4勝0分0敗/勝点12)
準優勝:JBS(3勝0分1敗/勝点9)
第3位:DYM(1勝1分2敗/勝点4)※得失点差により
第4位:IKI(1勝1分2敗/勝点4)
第5位:FOCUS(0勝0分4敗/勝点0)

2022 ITサッカーリーグ 個人表彰

得点王

矢野将伍(NSSOL)

画像: 得点王

新人王

風祭佑太(JBS)

画像: 新人王

アシスト王

佐々木紘史(NSSOL)、森崇晃(NSSOL)、氏原伸裕(NSSOL)、粕谷直輝(JBS)、小野翔矢(JBS)、風祭佑太(JBS)、塚本海(DYM)

画像: アシスト王

ベストオールド賞

村関岳志(IKI)

画像: ベストオールド賞

ベストイレブン

GK山谷浩介(NSSOL)、DF新沼由輝(NSSOL)、戸塚拓磨(JBS)、和田健太(JBS)、大谷友樹(FOCUS)、MF風祭佑太(JBS)、繁野竜介(JBS)、加藤慎介(DYM)、河尾俊祐(IKI)、FW矢野将伍選手(NSSOL)、中村修也(IKI)

画像: ベストイレブン

<Pick Up>
Z世代さんいらっしゃい

日鉄ソリューションズ株式会社
新沼由輝(23歳)

画像: <Pick Up> Z世代さんいらっしゃい

「最近、やっと仕事も任されるようになりました」と少しうれしそうに話す入社1年目の新沼由輝さんは、サッカー部でもレギュラーを任されて優勝に大きく貢献。体を張った守備でチームのピンチを何度も救い、大会ベストイレブンにも選出された。「社会人になってから、こんなにヒリヒリする試合ができるとは思っていませんでした(笑)」と、ITサッカーリーグの真剣度合いに驚きつつも、そこで勝つ喜びは想像以上のものだったという。「仕事をしていて、社内でハイタッチをする機会はないですからね(笑)。こうやって一緒にサッカーをして、先輩たちと打ち解けることができて、会社に馴染む良い機会になりました」。新沼さんにとって良いこと尽くめとなったITサッカーリーグに来季も参加したいかと問うと、「ぜひ参加したいです!」と即答。来年はさらに連係を深めた堅い守備が見られそうだ。

第19回ITサッカーリーグの詳細はこちら


This article is a sponsored article by
''.