上写真=木村誠二は馬場晴也との初出場コンビで最終ラインの壁になった(写真◎スクリーンショット)
「そんなに悪くない試合運びだった」
今大会初出場のセンターバックコンビが、タジキスタンをぴしゃりと封じた。
U-23アジアカップのグループステージ第3戦。連敗したタジキスタンは敗退が決定していたが、日本にとっては重要な一戦だった。引き分け以上でベスト8進出が決まり、他会場の結果も関係するが、1位突破のためには勝利を飾り、なおかつ得失点差で優勢のサウジアラビアを上回る必要があった。
だがそれも、しっかりとした守備の基盤があってこそ。
「退場者が出るまではボールを握っていた中で、VARで追加点が取りづらい展開で、もう少し点はほしかったですけど、そんなに悪くない試合運びだったと思います」
三戸舜介が65分に相手の足を踏みつける格好になって、VARチェックによって退場処分となった。PKや得点が取り消されたシーンもあった。それでも、安定感は損なわなかった。力の差があったのも確かだが、馬場晴也と組んだセンターバックは揺るぎなく、チームの礎になった。
「相手は苦しくなると蹴ってくる、という情報はあったので、晴也くんとリスク管理していて、実際に蹴ってきたときにはしっかり対応できました。もっと裏抜けのボールが出てきたらわかりませんでしたけど、うまく対応できたと思います」
今回は西尾隆矢(セレッソ大阪)が負傷で、追加招集での参加となった。
「追加招集というのは最初の選考からは外れている、ということなので、ここで呼ばれたからにはチームのために頑張りたいし、序列は上げてやるという気持ちで来ています。最初の2試合で出番がなかったのは監督が選ぶことなので仕方ないけれど、試合に出たときに自分のプレーをしようと思っていました」
決意の90分は、しっかり無失点。ただ、レベルアップのための反省点も忘れない。
「リスク管理は良かったんですけど、ビルドアップで運ぶときに晴也は縦パスを何本も入れてチャンスを作れていたのに、僕の左サイドはうまくできなかったので、そこは改善していきたい」
準々決勝では韓国との決戦だ。すでにVARでの影響も大きく、退場者も2人出ている。ここからはトーナメントだけに、さらに何が起こるかわからない。木村はもちろん、いつでも準備はできている。