ロシアによるウクライナ侵攻の影響で延期されていたヨーロッパのプレーオフ決勝が行われた。1日に開催された準決勝でスコットランドを3-1で下したウクライナは、決勝でウェールズと対戦。ボールを握り、チャンスを作ったものの、相手FKヘネシーの好守に遭って決め切れず。逆にOGで失点して0-1で敗れ、W杯出場権はウェールズが手にした。
上写真=W杯出場が決まり、雄たけびを挙げるベイル(写真◎Getty Images)
ウェールズのGKが神セーブ連発
ウェールズのカーディフスタジアムで行われたプレーオフ決勝(パスA)は、ボールを握って攻めるウクライナに対し、ウェールズがカウンターでチャンスを生み出す構図で進んだ。
序盤からヤレムチュク、ヤルモレンコ、ジンチェンコらがゴールを目指すが、ウェールズも集中した守備でゴールを許さない。とりわけゴールマウスを守るヘネシーが絶好調で、好セーブを連発。すると33分、ゴール左で得たFKの場面で、ウェールズのキャプテン、ガレス・ベイルの左足がさく裂する。強烈なシュートに対してヤルモレンコがヘディングでクリアを試みるが、ボールをそのままゴールイン。記録上はオウンゴール(OG)だったが、ベイルの一発が均衡を破った。
後半、ウクライナは相手ゴールに何度も迫り、ボックス内からもシュートを放った。終盤はほぼ相手陣でプレーすることになったが、ウェールズ守備陣の集中力は切れず。ウクライナの気持ちのこもったプレーをGKヘネシー中心に跳ね返し、1-0で逃げ切って1958年大会以来、64年ぶり2度目のW杯出場を決めた。
ウクライナを相手にする難しさもあったはずだが、ウェールズは素早い切り替えと速攻というシンプルな戦いをやり抜いて、W杯出場権をつかみ取った。一方で敗れはしたものの、最後まであきらめず前向きな姿勢で戦い抜いたウクライナも称賛に値する戦いを披露した。試合後にスタンドから送られた大きな拍手がその証だろう。
勝ったウェールズは本大会ではグループBに入ることが決まっている。同居するのはイラン、アメリカ、そしてイングランド。英国4協会の2カ国がグループステージで対戦することになった。