上写真=鈴木唯人はセットプレーのキッカーも務める攻撃のキーマンだ(写真◎スクリーンショット)
「キックの精度で得点は決まる」
今回のU-21日本代表における鈴木唯人の役割の一つが、セットプレーのキッカーだ。ドバイカップU-23の3月26日の第2戦、U-23カタール戦で左CKを蹴って山本理仁の追加点につなげている。
鈴木の蹴ったボールは相手にクリアされたものの、落下地点に山本が猛然と走り込んで決めたダイビングボレーシュート。まるでマンガの世界のような超絶ゴールが生まれたが、決めた山本に鈴木が笑いながら話しかけていたのが印象的だった。
「狙ったの? とか、そんな感じの会話です。詳しくは覚えていないですけど、2人とも途中から入った形で追加点が取れてよかったので、近寄っていきました」
初戦のU-23クロアチア戦はフル出場、続くこのU-23カタール戦では1-0でリードしていた76分にピッチに入った。この2試合でキックのフィーリングは少しずつ高まっているというから、3月29日(日本時間30日)のU-23サウジアラビアとの決勝が楽しみになってくる。
「チーム(清水エスパルス)では最近は蹴っていないのですが、代表に来て蹴らせていただいていて、徐々にですけど自信を持って蹴ることができるようになっています。中の人とタイミングを合わせたり、キックの精度で得点は決まると思うのでこだわっていきたいと思います」
1月の日本代表キャンプにも参加した、将来性あふれるアタッカー。そんな鋭いキックはもちろん、スピードとセンスを組み合わせた攻撃に最大の魅力がある。そこに、守備の強度も高めてさらなるスケールアップを自らに求めている。
「攻撃の面でうまく回していくために、自分が間に入ったり前進させることは求められていて、もちろん突破もです。守備でもしっかり前線から奪いにいくところは見せていきたい」
今回のチームで戦うのも、あと1試合。限られた時間の中でグループとして昇華させてきた努力を、決勝で勝って結果で実らせたい。
「試合まで時間がなかったですし、試合と試合の間も試合に出た選手はリカバリーになったので、コミュニケーションが大事になっていました。どの選手もいろいろな意見を受け入れて、このチームをちゃんといい方向に向けていこうとしていたのがとても良いところの一つです。いい内容の試合を見せられていませんが、結果はついていきていると思います」
もう一つ大きな結果を積み上げるために、ボールを受けてさばいて突破して、鈴木はゴールに迫っていく。