上写真=開幕戦に続いてホームゲームを戦ったI神戸が、千葉Lに勝って開幕2連勝(写真◎森田将義)
■2021年9月26日 WEリーグ第3節(@JG堺1:観衆1,387人)
I神戸 2-0 千葉L
得点:(神)杉田妃和、伊藤美紀
・I神戸メンバー◎GK山下杏也加、DF三宅史織、西川彩華、羽座妃粋(67分:竹重杏歌理)、MF伊藤美紀(70分:守屋都弥)、中島依美、杉田妃和、成宮唯、FW阪口萌乃、浜野まいか(56分:田中美南)、髙瀬愛美
・千葉Lメンバー◎GK清水栞、DF大熊環(HT:藤代真帆)、林香奈絵、市瀬千里、MF田中真理子(84分:小澤寛)、岸川奈津希、今井裕里奈(52分:曽根七海)、アスレチック・チディアック(HT:城和怜奈)、鴨川実歩、南野亜里沙、FW大澤春花(76分:広瀬桜)
「次に生かせる課題になった」
大宮アルディージャVENTUSとの開幕戦で開始4分に先制、12分には2点目を奪い、5-0で大勝しているI神戸が、この日も序盤から攻勢に出る。MF中島、MF成宮のダブルボランチを中心としたパス回しからサイド攻撃を引き出し、千葉Lを押し込んでゴールに迫った。
7分には左サイドでボールを持ったFW浜野が、成宮とのパス交換でエリア内へと侵入し、ゴール前に送ったパスをMF杉田が蹴り込んで先制。WEリーグ初ゴールで流れを引き寄せた杉田は「普段なら悩むシーンだったが、今日は落ち着いて打てたのがよかった。前節はアシストしたけど、点は決められなかったので、今日こそはと思っていた」と振り返る。
さらに15分には、FW髙瀬からのパスを受けた成宮がミドルシュートを放つと、DFに当たったボールがエリア内にこぼれる。いち早く反応したのは、右サイドから中央にポジションを移していたMF伊藤。「いつもだったらワントラップした後、すぐ思い切り打っていたけど、相手がスライディングしてくるのが見えたので、かわして流し込んだ」と語る冷静なプレーで、タックルに来たDFをキックフェイントで外し、すぐさま左足を振り抜いてネットを揺らした。
開幕戦同様の好スタートを切ったI神戸だが、前半のうちに4-0とした開幕戦の再現はならず、この日は以降が続かない。杉田は理由について「前に前に進み過ぎて、相手が(コースを)限定している中に自分たちが入ってしまった。奪われて、枚数が少ない状況でカウンターを受けてしまった」と語った。
一方の千葉Lは、猿澤真治監督が「立ち上がりの失点が響いた。ある程度アグレッシブに来るのは分かっていたので、賢く攻撃できればと伝えたが、受けてしまった」と語ったように、序盤の2失点が重くのしかかる展開に。思うような攻撃ができず、前半のシュートはわずか1本に終わった。
しかし後半は、交代で入ったばかりのDF城和が開始直後にワンツーからシュートを放つなど、自陣でのボール回しからサイドや前線への配球が増加。I神戸の3本を上回る9本のシュートを放ったものの、最後の精度を欠いて1点が奪えなかった。
結局、立ち上がりの2得点でI神戸が2-0で勝利。星川敬監督が「時間帯が悪いときにリズムを変えられる選手がいない。賢くプレーしてほしい」と話した通り、手放しで喜べる内容ではなかったが、試合がなかった第2節を挟んで開幕2連勝を飾り、同じく開幕2連勝の三菱重工浦和レッズレディースを得失点差で上回って首位に立った。
選手たちも課題を口にしつつ、伸びしろだと前向きに捉えている。「プレシーズンから1試合1試合、徐々にチームとして成長できていると思う。今日は後半の修正点が多い試合になったけど、ネガティブな課題ではない。次に生かせる課題になったと思う」と話したのは伊藤だ。AC長野パルセイロ・レディースと初のアウェーゲームを戦う次節、さらにその後に向けて、成長した姿で連勝を伸ばせるかに注目が集まる。
現地取材・写真◎森田将義