上写真=技術委員会後のオンラインによるブリーフィングに出席した反町技術委員長(写真◎ZOOMスクリーンショット)
三位一体ならぬ四位一体で取り組む
3月末に就任し、4月から仕事を始めた反町技術委員長は、「実りのある2時間」のだったと語ったWEB上での技術委員会後、メディアの取材に応じた。
まずは就任の経緯について。
「松本山雅を退任しまして、その後、(今季の)Jリーグの開幕戦が始まるかなり近いところで、田嶋幸三会長の方から話をいただき、自分の中でも整理する時間が欲しいということでしたが、決断したということです。今まで19年、ほとんど休みなく監督という現場で仕事をしてきまして、その中には日本サッカー協会の仕事も短い時間でしたけども、北京オリンピックに参加させていただきました。常に、どこのチームにいたときも日本サッカーの成長と発展を考えてやってきたつもりでいます。最終的に、話を受けたのは、自分がそういうことを思ってやってきたというのがベースにありましたし、(ワールドカップで)日本がなかなかベスト16から上に行けないという状況も感じていましたし、何かしらの手伝えができればと思っていました」
技術委員長の仕事は多岐にわたる。日本サッカーの強化、発展を先導する立場とも言えるだろう。今後の方針について、新委員長は次のように語った。
「日本のサッカー全体が強くなっていかないと、(ベスト16以上に行くのは)難しい。私の仕事は、次の試合に向かって一番良い状態を保って一番良いパフォーマンスを出して試合に勝つという状況を作り上げる。それと同時に、5年後も10年後も同等の大会で、同じように、あるいはそれ以上に強くなるようなチームを作っていかなければならない。そのためには、トップチームだけではなく、この新型コロナウイルスの状況の中で、子どもたちのサッカー離れを何とか防いで、分母を広げていくことも私の仕事として大事なってくると思っています」
これまで技術委員会では世界と対等に戦うために、「代表強化」「若年層の育成」「指導者養成」を、日本サッカーの強化構想として掲げてきた。それに加えて「サッカーの普及」も重要だと反町委員長は説く。この日の技術委員会でも、冒頭のあいさつで、まず委員にその考えを説明したという。
「今まで三位一体プラス普及と言っていましたけど、四位一体だと。そんな言葉はないんですけども、四つをまったく同等のレベルとして考えてやっていかないと、日本の将来は危うくなる。(世界でも)若い選手がどんどんたくさん出てくる中で、われわれも日本も、そのスピードに合わせていかなければいけない。それは指導者の問題もありますし、周りの人々の支えも必要だと思います。分母を広げて、その広い分母をどうしていくのか、というのはやはりわれわれ技術委員会が英知を結集してやらなければいけない一つの課題です」
そのために、既存の概念にとらわれず、積極的な改革にも乗り出す。「これまでやってきたことが全部だめというわけではありませんが、田嶋さんにも伝えましたが、少し古い体制だったのは間違いない。もちろん、良いところもある。ただ、痛みを伴うかもしれないが、リノベートしていかねばならないところもある」。
日本が強くなるために反町委員長は、これまでの経験をすべて注ぎ込み、仕事に当たる決意を示した。