上写真=9年ぶりにJ1リーグ優勝を飾ったガンバ大阪(写真◎J.LEAGUE)
勝負どころで勝ち切って偉業達成
この年、国内リーグで大きな話題を振りまいたのは、大阪の二つのクラブだった。一つはセレッソ大阪。2010年の南アフリカ・ワールドカップで大会MVPに選ばれたディエゴ・フォルランが加入したのだ。ただ、チーム力を上げる存在とはなり切れず、なかなか本領発揮とはいかなかった。結局、チームは低迷し、J2降格を余儀なくされてしまう。
対照的に、このシーズンにJ1に復帰したガンバ大阪は、リーグ中盤以降、破竹の勢いで勝ち点を積み上げていく。宇佐美貴史とパトリックの2トップ、その破壊力を引き出す遠藤保仁と今野泰幸の構成力、阿部浩之と大森晃太郎らクレバーで働ける両MF、組織だった守備力を体現する守備陣によって優勝へとひた走る。
その過程で、11月8日にはJリーグカップを掲げる。サンフレッチェ広島との決勝は、2点を先行される苦しい展開となったが、パトリックの2得点と大森のゴールで逆転。3-2で勝利を収め、7年ぶり2度目の優勝を飾った。
それからおよそ1カ月後、12月6日に今度はJ1制覇を決める。33節で浦和レッズに代わって首位に立つと、最終節は徳島ヴォルティスと引き分けるが、浦和が名古屋グランパスに敗れ、鹿島アントラーズもサガン鳥栖に負けたために、9年ぶり2度目となるJ1優勝を成し遂げた。
G大阪の勢いは、ここで終わらない。翌年1月にアジアカップが開催されることから年内に大会を終えることになっていた天皇杯でも決勝に勝ち上がり、モンテディオ山形を3-1で撃破。5年ぶり4度目の優勝は、2000年の鹿島以来、史上2クラブ目の三冠達成でもあった。
J2リーグではこの年、湘南ベルマーレが圧倒的な強さを示して史上最速で昇格を決めた。年間勝ち点も100を超えた(101点)。また、自動昇格の2位には松本山雅FCが入り、J1初昇格を果たした。松本は反町康治監督が就任3年目を迎え、堅実かつハードな戦いを披露。着実に勝ち点を積み上げて、クラブの悲願を達成した。
■平成26年度の主な出来事(2014年シーズン)
・1月31日 村井満氏がJリーグチェアマンに就任
・2月12日 ウルグアイ代表のフォルランがC大阪に加入
・2月22日 ゼロックス杯は広島が2年連続優勝
・3月1日 Jリーグ開幕
・3月23日 J1第4節・浦和対清水が無観客試合として開催される
・3月29日 なでしこリーグ開幕
・4月4日 U-17女子W杯(コスタリカ大会)で日本が初優勝。杉田妃和がMVPに選ばれる
・5月12日 ブラジルW杯に臨む日本代表メンバーを発表。大久保嘉人がサプライズ選出
・5月18日 J2湘南が開幕14連勝を記録
・5月25日 女子アジアカップ(ベトナム大会)で日本が初優勝
・6月14日 ブラジルW杯、日本は初戦でコートジボワールと戦い、逆転負けを喫する
・6月24日 日本はコロンビアに敗れ、1分け2敗でグループステージ敗退
・7月24日 ハビエル・アギーレ氏が日本代表監督に就任
・8月8日 インターハイは東福岡が17年ぶりに優勝
・8月17日 なでしこリーグ1部・レギュラーシリーズで湯郷Belleが優勝
・9月28日 アジア大会で日本男子は準々決勝で韓国に敗戦
・10月1日 アジア大会、日本女子は決勝で北朝鮮に敗戦
・10月17日 AFC U-19選手権(ミャンマー大会)で日本はベスト8敗退。U-20W杯への出場権を逃す
・11月1日 松本がJ1初昇格
・11月8日 ナビスコ杯でG大阪が7年ぶり2度目の優勝
・11月24日 なでしこリーグ1部・エキサイティングシリーズで浦和が優勝
・11月29日 フォルラン擁するC大阪がJ2に降格
・12月6日 J1はG大阪が9年ぶり2度目の優勝
・12月13日 天皇杯(第94回)をG大阪が制し、史上2クラブ目の3冠を達成
・12月14日 高円宮杯(U-18)チャンピオンシップでC大阪が初優勝
・12月21日 大学選手権は流通経済大が初優勝(第63回)
・15年1月1日 皇后杯はベレーザが5年ぶり11回目の優勝(第36回・14年度)
・15年1月12日 高校選手権で星稜高が初優勝(第93回・14年度)