上写真=ベネズエラに連続失点を許し、肩を落とす日本代表の選手たち(写真◎早浪章弘)
■キリンチャレンジカップ2019(パナソニックスタジアム吹田)
日本 1-4 ベネズエラ
得点=(日)山口蛍 (ベ)サロモン・ロンドン3、ジェフェルソン・ソテルド
「自分の持ち味だけでは残っていけない」
よもやの連続失点だった。前半8分、ベネズエラのストライカーであるサロモン・ロンドンに先制ゴールを許すと、30分からは8分間で3失点。前半を終えて、0-4と大きく引き離された。代表戦4試合目の出場となったセンターバックの畠中槙之輔は、苦しい前半を次のように振り返る。
「自分たちの時間をなかなか作れなかった。苦しい時間をしのいで、ボールを取っても、(ここから)攻撃というときにまたすぐに取られて、カウンターを食らったりということが重なった。それを修正していかなければいけないけれど、うまくできなかったと思います。その中でも、やっぱり自分たち(守備陣)が守らなければいけない」
特に30分からは悪夢のような8分間が訪れた。30分(ロンドン)、33分(ロンドン)、38分(ソテルド)と、続けざまに3失点。
「立て直す時間というか、余裕が、あの時間帯は自分たちになかった。それで、ああやって失点を重ねてしまいました。(声を)出し合っていなかったわけではないけれど、もっと後ろの人、前の人、横の人と選手間で話し合って、解決しなければいけないのかなと思いました」
ただ、後半は持ち直し、無失点でしのいだ。69分にはMF山口蛍がゴールを決めるなど、シュート数でも7本対2本と圧倒。同点に追い付くことはできなかったが、日本代表選手としての意地を見せた。
「前半はああいう展開になりましたが、後半は切り替えて(臨んだ)。(森保一監督が)『日本を代表して戦わなければいけない』ということを強調していたし、それは選手にもすごく伝わってきました。前半に4点も取られていたので、しっかり反省して後半につなげようと、自分たちでも話していました」
畠中は、チーム内でそのようなやり取りがハーフタイムであったことを明かす。苦境の中でも逆転勝利を目指して、監督、スタッフ、そして選手同士の結束を強めた。
結果は1-4。畠中は特に“4失点”を重く受け止め、自らのレベルアップを期す。
「失点をしてしまったことは自分たち(守備陣)にも責任があるので、もっと自分の能力を上げなければいけない。縦パスは自分の持ち味ですが、それだけでは(代表に)残っていけないし、ディフェンスなので何よりも目の前の相手に点を取らせないということ、失点をしないように体を張ることが、とても大事。今日、あらためて実感したので、それをまた意識して、まずはJリーグで自分の持ち味を出し、足りない部分を補って、ハイパフォーマンスを続けていきたいです」
J1で優勝争いを繰り広げるチームを支えるセンターバックは、日の丸戦士としての自覚を胸に、横浜の地でのさらなる成長を誓った。
取材◎小林康幸