上写真=日本代表の合宿2日目。オランダのPSVに所属する堂安も元気な姿を見せた(写真◎サッカーマガジン)
「彼がいなくても戦えるんだというところを」
8月27日にフローニンゲンからPSVに移籍した堂安律。新天地に移ってから1カ月以上が経過し、「今は楽しいですね」と、充実ぶりを明かす。
「(PSVは)練習からすごくレベルが高い。年下の選手が多いので、『こいつらになめられてたまるか』という一心で、毎回練習しています。もちろん、試合になればチームとして戦っていますけれど、チーム内での競争はたくさんあるので。他の選手からもメラメラした気持ちが伝わる。僕もオーラだけは負けずに出していこうと思ってやっていますけれど(笑)。すごくベストな選択ができたと思っているし、本当に今はすごく良い経験ができている。自分が求めた環境、自分が成長できそうな環境に身を置かせてもらっているので、ありがたいなと思います」
これまでに国内リーグを24回制しているPSVは、昨季のUEFAチャンピオンズリーグでベスト4に入ったアヤックスや、かつて小野伸二(現琉球)も所属していたフェイエノールトと並ぶ、オランダ国内屈指の名門クラブだ。チームには堂安のみならず、才能あふれるタレントがそろっている。「みんな個の能力が高い。1対1なら必ず仕掛ける選手が多いし、横パスと縦パスの選択肢があれば、必ず縦パスを選ぶ選手ばかり。年下の選手も多いけれど、学ばせてもらっています」と、チームメイトの能力に一目置いている。
国内のみならず、ヨーロッパのタイトルも争う名門クラブゆえに、国内リーグでの勝利は『義務』とも言えるだろう。その点では、オランダリーグにおけるPSVと、アジア予選における日本代表の立ち位置は似ているのかもしれない。
「格下の相手に勝たなければいけない試合がオランダリーグには多いので、勝ち点3をしっかり取るというメンタル的な難しさも感じています。それは日本代表にもつながると思うので、こっちにもしっかり還元できたらと思います」
勝利が至上命令となるホームでのワールドカップ・アジア2次予選モンゴル戦は、森保ジャパンの絶対的エースである大迫勇也(ブレーメン=ドイツ)を欠く中で行なわれる。「やっぱり、彼(大迫)がいるのと、いないのとでは、違うと思う。日本人ならば誰もが分かっていますけれど、素晴らしいプレーヤーなので」と、堂安は大迫不在の影響を懸念するものの、「彼がいなくても戦えるんだというところを、自分たちが見せなくちゃいけない。それは僕だけじゃなくて他の人もたぶん思っている。若手の意地としてもそうですけれど、そういう気持ちでやりたい」と、試合での奮起を誓う。
「(モンゴルは)引いた相手ということが予想されるので、それに対するイメージを持ちながら、ショートパスだけになりすぎず、ロングパス、ショートパス、サイドチェンジ、ミドルシュートとかも織り交ぜながら、多彩なイメージが必要なんじゃないかなと思います」
オランダで切磋琢磨する21歳がサムライブルーの攻撃をけん引し、その左足で日本中に歓喜をもたらす。