9月5日に『キリンチャレンジカップ2019』パラグアイ戦を戦う日本代表は、前日の4日に試合会場のカシマスタジアムでトレーニングを行なった。所属するシュツットガルト(ドイツ)の公式戦が現地時間2日にあった遠藤航も合流。23人全選手がそろい、報道陣に公開された冒頭15分でランニングやボール回しを行なった。

上写真=2カ月ぶりに鹿嶋に帰ってきた安西(写真◎サッカーマガジン)

ポルトガルでの戦いは「すごく自信になっている」

 およそ2カ月ぶりに、安西幸輝がカシマスタジアムに帰ってきた。7月に鹿島からポルトガルのポルティモネンセへと移籍したサイドバックは、キリンチャレンジカップ2019・パラグアイ戦の前日練習で慣れ親しんだピッチに立ち、「代表のときしか帰ってこられないと思っていたので、(日本代表に呼ばれて)よかったです」と、感慨深そうに話した。

 この日は観客のいないスタジアムでのトレーニングとなったが、実際にスタンドが観客で埋まり、熱を帯びたカシマスタジアムで日の丸を背負ってピッチに立つことは、安西にとって特別なことだろう。「僕は2カ月前まで(カシマスタジアムを)使っていたので、そういう意味ではやっぱり試合に出て、サポーターの人たちに成長した姿を見せたい。そういう思いで、今回(代表合宿に)来ました」と、心境を明かす。

 パラグアイ戦の出場に向けては、「選手全員が(試合に出たいと)思っているだろうけれど、特に僕や植田(直通)くん、(柴崎)岳くん、大迫(勇也)さんにとっては、(以前に)所属していたチームのホームスタジアムなので、試合に出たい思いはより強いです」と、意欲を燃やす。

 ただ、「思い入れがあるピッチ」(安西)で気持ちは高ぶるだろうが、「あまり力まずに、普段通りにやることが大事だと思うので、平常心を保ちながら、チャンスが来たときにしっかり結果を出せるようにやりたい」と、翌日の試合を見据える。日本代表メンバーに名を連ねるのも初招集された今年3月以来であるだけに、パラグアイ戦と、翌週のミャンマー戦(カタール・ワールドカップ・アジア2次予選)は、サムライブルーへの生き残りを懸けた“サバイバル”でもある。

「自分というプレーヤーの特長を出せればいいかなと思っています。1試合でも多く試合に出たいし、サイドバックとして偉大な先輩たちを越えたいので、もっともっと成長したいです」と、日本代表定着を狙う。そのうえで、日々ポルトガルで切磋琢磨しながら得た経験は大きいだろう。

「あっち(ポルトガル)は相手の一歩のスピードとか、すごく速いので、そういう選手と日ごろからやれているのは、すごく自信になっています。それを代表チームでもしっかり出せるように頑張りたい。鹿島ではすごく良い経験ができたけれど、あっちでもあっちですごく良い経験ができている。その経験を踏まえながら、(パラグアイ戦を)戦いたいと思っています」

 ポルトガルで進化した安西が、カシマでの“凱旋試合”に臨む。

取材◎小林康幸

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サッカーマガジン 2019年10月号


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