わが子にどんなスポーツをさせるべきか。子を持つ親の多くが直面する(もしくは直面した)悩みだろう。例えば自分が若いころにサッカーを経験していたとしたら、わが子にもサッカーをさせたいと思う親は多いはず。しかし、本当にその子の才能はサッカーに向いているのだろうか。もしかしたら、ラグビーの才能があったのではないか。もしかしたら、陸上の方が大成するのでは……。
そんな悩みや疑問にひとつの解決策を提示したイベントが、5月19日(日)に横浜市のとあるフットサルコートで行なわれた。その名も「ADIDAS YOUNG ATHLETES CHALLENGE SUPPORTED BY アタック」。
イベントの概要はこうだ。
小学生を対象に、1日でサッカー、ラグビー、陸上の3競技を体験できるプログラムを実施。しかもその競技を教えてくれるのがトップアスリートだというのだから、こんなに贅沢なことはない。「スポーツを通して子どもたちの可能性を一層広げるサポートを行う」という理念から、ご存じマルチスポーツブランドのアディダスが2017年から始めている取り組みだという。
この日に登場したトップアスリートは、サッカー界から中村俊輔(ジュビロ磐田)、ラグビー界から五郎丸歩(ヤマハ発動機)、陸上界からは塚原直貴(富士通)の3人。いずれも今さら説明の必要もない各競技のレジェンドたちが、幸運にも抽選で選ばれた小学生約200人に、自らの貴重な体験を伝え、実際にその競技を教えるという濃密な時間が繰り広げられた。
“でも、この3人のように競技のトップアスリートになるには、やっぱり小さいころから1つの競技に集中させるべきでは?”
そう思う人もいるだろう。
だが、当の本人たちからは意外な答えが返ってきた。
中村俊輔
「自分もサッカーだけだと思われているかもしれないけれど、実は3人の兄の影響で野球や水泳、体操も遊びでやったりしていました。小さいころにいろんな競技を経験することは、とてもいいことだと思います」
五郎丸歩
「自分は3歳からラグビーを始めましたが、1993年Jリーグ開幕のタイミングで一度サッカーに浮気した時期がありました(笑)。でも結果的にそれが良かった。キックの精度は、間違いなくサッカー経験のおかげですからね」
塚原直貴
「私も小さいころは野球、サッカー、水泳をやっていましたし、スポーツとは違うけれど和太鼓を一生懸命にやったこともあります。音に反応したりリズム感を培ったことも、後の競技人生に活かされていると感じますね」
冒頭の問いに対し、この日に集った3人のトップアスリートは、口をそろえて「小さいころはいろんなスポーツを経験した方がいい」と語っている。それはこのイベントだからというわけではなく、自らの体験を基にしているのだから、説得力がある。
何より、イベント中に中村俊輔が口にしたこの言葉が印象的だった。
「自分も3人の子を連れて体験させたかった」
アディダスは年内にも「ADIDAS YOUNG ATHLETES CHALLENGESUPPORTED BY アタック」を開催する予定で、実施する競技もテニスやスポーツクライミングなどの追加を検討中とのことだ。
わが子にどんなスポーツをさせるべきか。そんな悩みを持つ親御さん。本イベントに参加して、わが子の持つ可能性を一層広げてはいかがだろうか。