上写真=U-17女子W杯開幕直前に辞任することになった楠瀬監督(写真◎Getty Images)

 11月1日、午後4時から日本サッカー協会が記者会見を開き、U-17日本女子代表の楠瀬直木監督がJFA職員に対する『不適切な行為』で辞任し、今年U-20W杯でチームを初優勝に導いた監督である池田太氏(現U-18日本女子代表監督)がチームの指揮を執ると発表した。

大会12日前の衝撃…

「FIFA U-17女子ワールドカップ・ウルグアイ2018に出場するU-17日本女子代表について、監督の交代をせざるを得なくなったことをお伝えします。楠瀬直木監督に代わりU-18日本女子代表の池田太監督が指揮を執ることに決まりました。これは、楠瀬監督の不適切な行為に該当する事象があったことが理由です。指導者には高い倫理観が必要なことは言うまでもありません。まことに残念でなりません」

 会見は田嶋幸三会長の説明から始まった。今月13日からウルグアイで行なわれる『FIFA U-17女子ワールドカップ』の開幕を目前に控え、日本女子代表は監督交代を決めるに至った。異例の決断の理由は「楠瀬さんによるJFA職員に対する不適切な行為が認められたため」(須原清貴専務理事)だという。

 昨年6月と今年9月、楠瀬氏が当該職員に対しハグをし、そのことに不快感を抱いた職員が上司に9月下旬に相談。その後、弁護士を含む外部機関の立会いのもとで調査を進め、女子委員会に諮って「ウルグアイ遠征に帯同させるべきではない」との判断に至った。楠瀬監督本人も「軽率の行動であった」と認め、反省した上で辞任の申し出があり、今回、それを受理する形になった(10月31日付で辞任)。

「スタッフに関しては昨日、説明をしました。みんな一様に驚いていました。その上で、選手たちが大会に集中して臨めるようにしっかりやっていこうという意思疎通をはかりました。選手は本日、集合ですので、私から説明しました。もちろん、大変驚いていましたが、集中して目の前のサッカーに向き合っていこうと話しましたし、不安や気になることがあったらスタッフに相談してほしいと伝えました」(今井純子女子委員長)
 
 説明によれば、選手・スタッフに監督交代の決定を伝えたのは昨日と今日のこと。不測の事態に、チームが動揺しないはずはない。日本はU-17女子ワールドカップにおいて直近2大会で優勝(2014年)、準優勝(2016年)と素晴らしい成績を残している。今回も当然、優勝候補の一角と目されているチームだ。

「この厳しい事実にしっかり向き合って、厳しく対処することで今後、このようなことがないようにしていきたいと思います。選手たちも優勝を目指して今、頑張っています。この状況に際し、われわれもしっかりサポートしていきたい」と今井女子委員長は話した。
 初戦は11月13日のブラジル戦。『リトルなでしこ』たちは難しい状況の中で、世界一を目指すことになる。

FIFA U-17女子ワールドカップ・ウルグアイ2018
■11月13日(火) GS第1戦 vsブラジル
■11月16日(金) GS第2戦 vs南アフリカ
■11月20日(火) GS第3戦 vsメキシコ
※現地時間

取材◎佐藤 景 写真◎Getty Images


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