今回のアジア大会では、今年1月に行なわれたAFC・U-23選手権以来の代表招集となった 写真◎Getty Images
「一番に名前が呼ばれる存在に」
左クロスを胸でトラップすると、左足のハーフボレーでGKのニアサイドをきれいに抜いた。第2戦のパキスタン戦で先発に名を連ねた旗手怜央は、技術の高さを要所で見せて、ゴールという結果を残した。
順天堂大3年生。U-21日本代表の周囲を見渡せば、プロプレーヤーばかり。すでにJ1・J2でレギュラーの選手も少なくない。それでも、気後れすることはないという。むしろ、「カテゴリーは関係ない」と言い切る。得意のトラップ、ドリブル、シュートには絶対の自信を持っている。
「プロに負けるつもりはない」
言葉には力がこもる。アジア大会も気合を入れて臨んでいる。トゥーロン国際大会では招集されず、危機感を持つ。結果を残している選手を横目で見て、「俺もやってやる」とめらめらと闘志を燃やす。
インドネシアの大会はアピールの場。格下が相手とはいえ、森保監督から与えられた役割をこなし、いかに自分の持ち味を出すのかが重要になってくる。シャドーのポジション特性を理解し、連動した動きができるかどうかも問われる。パキスタン戦では岩崎悠人のゴールをアシストするなど、コンビネーションも上々だった。
それでも、本人はまだ満足していないはず。目標はFW陣で一番手になること。五輪代表メンバーで「一番に名前が呼ばれる存在になりたい」と公言する。大学生の挑戦はまだ始まったばかり。ここからさらにゴールを量産していく。
文◎杉園昌之