■グループD
アルゼンチン…12大会連続17回目
アイスランド…初出場
クロアチア…2大会連続5回目
ナイジェリア…3大会連続6回目
アルゼンチンはタレントがてんこ盛り。クロアチアも強豪だが、総合力ではやはりアルゼンチンが上か(写真◎Getty Images)
順当か、波乱か。風向き一つで、どちらに転んでも、おかしくない。そんなグループだろう。 風向きを決めるのは、ほかでもない、アルゼンチンだ。いったい強いのか、弱いのか。フタを開けてみるまで分からない。
南米予選の戦いぶりは青息吐息。知将ホルヘ・サンパオリを新監督に迎えたはいいが、アンヘル・ディマリアを左のウイングバックに据え、攻撃のタレントをてんこ盛りにする奇抜なアイディアも空回り気味だ。
いかに神の子リオネル・メッシを気持ちよくプレーさせるか。そのための人選やシステムを構築する以外、解決策はないだろう。それを、ロシアで実践できるのかどうか。
そんな半端な状態でも勝ち切るくらい「個の力」がずば抜けているのは確か。それでも2位抜けの可能性は十分にありそうだ。
アルゼンチンを出し抜くとすればクロアチアだろう。何しろ、中盤を取り仕切るルカ・モドリッチとイバン・ラキティッチの黄金ペアをはじめ、タレント力は申し分ない。
アタック陣にもマリオ・マンジュキッチとイバン・ペリシッチという実力者を抱える。戦いぶりも、押してよし、引いてよし。攻め一辺倒でも、守り一辺倒でもない柔軟性がある。総合力の高さは今大会でも上位に入るだろう。
曲者は初出場のアイスランドだ。EUROで8強、その後の欧州予選では首位通過を果たしている。勢いに乗っている上に、初出場と来ればモチベーションも高い。
攻守にとことんハードワークするアグレッシブな戦いぶりは、どんな相手にとっても厄介だろう。風向き次第では、2位以内にすべり込んでも不思議はない。
残るナイジェリアも、個人技頼みのイメージを払拭し、一発の魅力を秘めている。だが、突破争いに食い込むところまではどうか。 逆に言えば、ナイジェリアに足をすくわれたチームは苦しくなるか。ある意味、カギを握る国だろう。
文◎北條 聡