U23日本代表は現地25日、『AFC U23アジアカップ』の準々決勝、U23カタール代表戦に臨み、延長の末、4−2で勝利を収めた。豊富な運動量と冷静なプレーでベスト4進出に貢献した藤田譲瑠チマは、細谷真大の決勝点の起点にもなり、大きな存在感を示した。

上写真=120分間、タフに戦った藤田譲瑠チマ(写真◎Getty Images)

「第一関門をクリアしただけ」

 相手は開催国、試合前から難しい戦いになることは覚悟していたが、傍から見ている限り、想像以上の難しさだったのではないか。

 しかしキャプテン、藤田譲瑠チマは冷静だった。

 早々に先制するも前半のうちに追いつかれてしまう。相手に退場者が出て、日本が有利かと思われたが、後半に入って相手に逆転を許す。

 日本にとっては嫌な流れと思われたが、「焦れずに相手を動かすことから始めようと考えはありましたし、その中で相手が疲れてきたらスペースが空くという考えも自分は持っていました」と目まぐるしく変わっていく展開の中でも、攻め筋を見定めていた。

 延長前半、101分に決まった細谷真大の決勝点も、藤田の縦パスが出発点だった。相手のMFとDFのライン間に顔を出した荒木遼太郎にギアを入れるパスを通し、荒木が細谷につないでネットが揺れた。

 守備でも声を出し、周囲と連動し、自ら走って相手を何度も潰し、カウンターを防いだ。まさにチームの柱としてプレーした。

 次戦の準決勝(イラク対ベトナムの勝者)に勝てば、パリ行きが決まる。だが、キャプテンはこれまで通りの主張を繰り返した。

「第一関門をクリアしただけなので、自分たちはまだ満足していない。自分たちの最低限の目標であるパリ五輪の出場権獲得、あとはアジアカップ優勝がすぐ近くにあるので、チームとしていい準備をして頑張っていけたらと思います」

 アジアを制してパリへーー。頼れるキャプテンとともにU23日本代表は目指す場所に近づいている。


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