Uー23日本代表が25日、『AFC U−23アジアカップ』準々決勝、開催国U23カタール代表との試合に臨んだ。負ければ敗退となる大一番は延長に突入する壮絶な試合となったが、前半に細谷真大がネットを揺らし、後半に内野航太郎がダメを押して4−2で勝利。ベスト4進出を決めた。

上写真=101分、激闘に終止符を打つ決勝点をスコアした細谷真大(写真◎)

■2024年4月25日 U23アジアカップ準々決勝(観衆9,573人/@ジャシム・ビンハマド)
 U23カタール 2ー4 U23日本
 得点:(カ)アフメド・アルラウィ、ジャッセム・ガペル
    (日)山田楓喜、木村誠二、細谷真大、内野航太郎

10人の相手を攻め続けて勝ち切る

 日本が、いきなりネットを揺らした。

 右サイドバックの関根が自陣深い位置から相手最終ラインの背後にロングボールを蹴り込むと、ボールは一度、左CBのアルアリにクリアされた。左アウトサイドのサイフエルディーンがそのクリアを拾う。そこへ日本の右ウイング、山田がプレッシャーをかける。サイフエルディーンはアルアリへのバックパスを選択。だが、パスは中途半端になり、山田がカットに成功した。

 そのままボックスづたいに短くドリブルし、左足を振り抜く。相手GKが一歩も動けない無回転シュートを突き刺した。

 開始2分、電光石火の得点で日本がリードを奪う。負ければ敗退。パリ五輪出場権を逃すことになる一戦は大きな重圧がかかっていたはずだが、相手のミスを逃さず、素晴らしい形で試合をスタートさせた。

 しかし、である。開始早々のゴールは壮絶な試合の始まりに過ぎなかった。

 カタールもすぐさま反撃してみせる。24分。アバウトなパスを強引につなげて、日本の左サイドからアルヤジディがクロスを供給。走り込んだアルラウィに関根の背後からヘディングシュートを叩き込まれ、同点に追いつかれた。

 スタジアム内のボルテージが一気に上昇し、日本にとっては難しい状況になった。だが38分、予期せぬ形で試合が動く。相手GKが退場になったのだ。

 相手のゴールキックを自陣で木村がクリアし、そのボールを拾った松木が最終ラインの裏へ浮き球パスを送る。細谷がボールに向かって猛然と走り込むと、前に出てきた相手GKユーセフと交錯。その際に細谷が腹部を蹴られる形になり、オン・フィールド・レビューを経てユーセフは一発退場になった。

 日本は1人多い状態で戦うことになったが、数字上の優位を生かせず、失点してしまう。49分、FKの場面でジャッセム・ガベルにヘディングを決められ、逆転された。後半開始から松木に代えて藤尾を投入し、細谷と藤尾で2トップを形成し、4−3−3から4−4−2にシステムを変えて効率よく攻めに出るはずが、その効果をピッチで出す前に失点してしまった。

 5−4のブロックを組んで守るカタール相手に日本が攻めあぐねる時間が続く。フィニッシュの精度が足らず、打てども打てどもネットを揺らすことができなかった。

 嫌な流れを断ち切ったのは、日本が得意とするセットプレーからだった。67分、右CKの場面で山本が入れたボールを木村がニア側に動いて頭で触わり、方向を変え、ネットを揺らした。UAE戦に続くCBのゴールで日本が同点に追いついた。

 中3日でこの試合に臨んだカタールに対し、日本は中2日。アドバンテージは開催国にあったはずだが、相手が10人になったことで60分過ぎからは、ほぼ日本のペースで試合は進んだ。ただ高井、藤尾らが立て続けにシュートチャンスを得たが、いずれも決めきれず。日本は83分に佐藤に代えて平河をピッチに送って次の1点をつかみにいった。

 一方的に日本が攻める展開が続くも、カタールも必死の守りでゴールは割らせない。試合は90分では決着がつかず、2−2で延長戦に突入することになった。

 壮絶な消耗戦となった試合で、ここまで無得点のエースがついに目覚める。101分、細谷が得意の形でゴールをスコアした。藤田の鋭いパスをライン間で受けた荒木が素早くパス。細谷はシュートできる場所にボールをトラップし、相手DFのプレッシャーを受けながらも右足を一振り。相手を大きく上回るシュートを放ちながら決められなかった日本が、延長前にリードを奪った。

 延長後半、完全に足が止まったカタールから内野航がダメ押しゴールを奪う。112分、左CKの流れから川崎がシュートを放ち、そのこぼれ球を押し込んだ。

 試合はそのまま4−2で決着。日本が激闘を制し、ベスト4進出を決めた。あと1つ勝てば、パリ五輪出場も決まるーー。

▼出場メンバー
・U23日本◎GK小久保玲央ブライアン、DF関根大輝、高井幸大、木村誠二、大畑歩夢(114分:半田陸)、MF山本理仁(115分:川崎颯太)、藤田譲瑠チマ、松木玖生(46分:藤尾翔太)、FW山田楓喜(45+6分:荒木遼太郎)、細谷真大(115分:内野航太郎)、佐藤恵允(83分:平河悠)


This article is a sponsored article by
''.