Uー23日本代表は25日、Uー23ウクライナ代表と対戦し、2−0で快勝した。10番を背負い、左サイドで躍動したのが佐藤恵允だ。先制点をスコアし、激しいプレスで何度も相手の攻撃の芽を摘んだ。攻守両面でアグレッシブさが求められる大岩ジャパンを象徴するようなプレーを見せた。

上写真=攻守両面で躍動した佐藤恵允(写真◎湯浅芳昭)

アルゼンチン戦に続き、先制点をスコア

 ネットが揺れたのは、48分。チャンスがありながらも決めきれない45分間を過ごしたあとのことだった。決めたのは佐藤恵。左サイドでこの試合に臨んでいたナンバー10だった。

 右コーナーキックを荒木遼太郎が蹴り込むと、ニア側で右サイドバックの関根大輝が頭ですらし、ボールはファーサイドへ。佐藤が頭で押し込み、均衡を破った。

「セットプレーはこのチームの武器としてるものなんで、その中で自分がファーに詰めるっていうのを役割としてもらえていたので、どんな形であれ、ゴールはゴール。その役割を果たしたっていう面では良かったと思います」

 昨年11月のU23アルゼンチン戦でも均衡を破った。再び勝負強さをピッチで示したが、「前線の選手なんですけど、自分自身は守備の方も得意としてる部分があるので、チームを助けるプレーだったり、プレスバックとか、一歩前へというのを意識していこうっていう指示も監督からあったので、そういう意味でも少なからずチームを助けるようなプレーができたのかなと思います」と、守備面の貢献にも胸を張った。

 昨年夏に明治大学サッカー部を退部し、Jリーグを経由せずにヴェルダー・ブレーメン(ドイツ)に加入。トップチームのトレーニングに参加しつつ、セカンドチームでプレーする日々の中で心身を鍛えてきた。とくに自信を持つのが、守備。

「ブンデスリーガの強度に触れられて、単純に強度が上がった」と話し、「以前は方向を限定して次の人が(ボールを)奪えるようなことを意識していたと思うんですけど、今は自分が奪うという気持ちでプレスをかけています」と、まず守備意識が変わったという。まさしくそれは大岩剛監督がアタッカーに求めてきたことでもある。佐藤は攻守両面で、U23代表を支えるプレーヤーとなった。

「(U23)アジアカップの厳しさっていうのを自分自身、知っていますし、グループリーグも本当に強い相手ばかりなので、まずは一戦一戦、自分たちのプレーを出したい。相手は打倒日本という気持ちで来ると思う。でもそういう勢いをはね返して自分たちのサッカーできれば、確実に優勝できると思うし、その自信もあります。それぐらいの積み重ねはこのチームとしてできているし、絶対にオリンピックの出場権を取りたいと思います」

 シーズン中に開催される来月のパリ五輪・アジア最終予選(AFC U23アジアカップ)では海外組の招集が極めて難しいとされている。ただ、今回のシリーズに参加した佐藤は招集される可能性が高い。

 ウクライナ戦で見せたように、アグレッシブな姿勢で守備のスイッチを入れるとともに、ゴールへの強い意欲で、チームをけん引することが期待される。


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