日本代表はインドネシア戦に勝利し、グループDの2位で決勝トーナメント進出を決めた。ラウンド16の相手は韓国とヨルダンをおさえてグループEの首位となったバーレーン。26日、負けたら終わりの一発勝負の戦いを前に、中山雄太が取材に応じた。

上写真=インドネシア戦で今大会初先発し、好プレーを見せた中山雄太(写真◎Getty Images)

今はすごくポジティブ

 グループステージ3戦目のインドネシア戦に左サイドバックとして中山は先発した。イラク戦に敗れた2日後に開かれた練習前のミーティングで、チームはいくつかの課題を確認した。例えばそれは基準としてきた強度の不足であり、前からの積極的な守備の欠如であり、それを可能にするライン設定ができなかった点だった。

 1、2試合目をベンチで過ごした中山は、外から見ることでそれらの課題を感じており、自身が先発した3戦目で改善を試みた。果たしてチームは目が覚めたかのようにアグレッシブなプレーを披露。3−1でインドネシアに勝利した。

「僕らが(試合に)出ていないからこそ気づけた部分でもあるし、逆に言えば僕らが出ていたら、もしかしたら他の選手が気づけた場合もある。そういう選手が今、たくさんいるのは確かですし、結果、僕らだっただけで。それ(気づき)をチームに還元するようなアクションがしっかりとできたし、それが実を結んだというのは僕らにとってもポジティブですし、チームにとってもすごくポジティブ」

 日本の戦いぶりは3戦目で明らかに変化した。基準を取り戻したとも言えるかもしれない。そのうえで中山は次のラウンド16のバーレーン戦(31日)が日本の真価が問われる試合になるという。

「(3戦を終えて)一番いい状態なんじゃないかなと思います。1、2試合目に出ていた選手が、3試合目に代わった選手のプレーを見て絶対に刺激になっていますし、3戦目が終わったあとにも言いましたけど、次は日本代表として問われている試合だと思います。1、2試合目、3試合目よりもまた良い試合をしっかりとできるようになると思いますし、その自信もみんな持っているので、その辺でしっかりやっていきたい」

 バーレーンの映像はまだ見ていないと話したが、一発勝負であることとPK戦があることを踏まえて試合の進め方には気を配りながら、いつも通り日本代表の基準を満たすプレーを実践したいと語った。

「僕は守備の選手なんで、インドネシア戦を3ー0で終えられなかったというのは、決勝トーナメントを少し難しくしてしまうような状況だったり、可能性がある。そういうシーンなので、しっかりと話し合っていきたいですし、(グループを)突破したからオーケー、3ー1で勝ったからオーケーではなく、そこはないがしろにしたくないので。バーレーンがどうかはわからないですけど、ロングスローだったり、試合の流れでうまくチャンスが作れない中、一発で点を取ろうというシーンもあると思うので、そこはもっともっと突き詰めたい」

 バーレーン戦に勝てば、中2日で準々決勝、中3日で準決勝、そして中2日で決勝とタイトな日程が続く。その点について問われた中山は「別に大丈夫じゃないですか。グループステージが終わってからの期間で準備をしっかりできる。あと一発勝負に向けてやっぱり勝たなきゃいけないし、勝ったら試合の期間が短いぶん絶対に勢いに乗れるんで。逆に言うと、ここでしっかり準備できて勢いに乗れる日数かな」と前向きに答えた。

 勝って勢いに乗って決勝に進み、アジアの頂点に立つ。目標は明白。やるべきことも中山の中でしっかり整理されている。

取材◎佐藤景


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