上写真=日本がPK戦でクロアチアに敗れて、ベスト8に進めず…(写真◎Getty Images)
■2022年12月5日 カタールW杯 ラウンド16(アル・ジャノブ)
日本 1-1(PK1-3)クロアチア
得点者:(日)前田大然
(ク)イバン・ペリシッチ
「必ず未来は変わる」と森保監督
2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会、2018年ロシア大会。過去にラウンド16まで進みながら敗れた日本が、またもその壁に阻まれた。
カタール・ワールドカップで12月5日、日本がクロアチアと戦ったラウンド16。2試合続けて3-4-2-1システムで入った日本は、冨安健洋を初先発させ、遠藤航も先発に復帰。クロアチアも、ドイツやスペインと同じようにヨーロッパの強豪ではあるが、日本がよりボールを動かす余裕のある前半になった。
3分に右のショートコーナーから谷口彰悟がヘッドで狙えば、12分には落ち着いたビルドアップから右を崩し、伊東純也が際どいセンタリング、17分には左サイドで長友佑都がカットインから鋭いクロスを送るなど、主導権を握って試合を進めていった。
このあとはクロアチアがセカンドボールを収め始めて、左右からクロスを多用して日本を脅かす。しかし再び日本がポゼッションの時間を得てリズムをつかむと、41分にビッグチャンス。左に流れたボールを守田英正が拾い、前田大然が持ち込みマイナス、遠藤が切り返して短くスルーパス、受けた鎌田大地がカットインから右足を振ったが、ボールはゴールを越えた。
しかし、この好リズムが待望の先制ゴールを生んだ。43分、右のショートコーナーから堂安律がクロス、こぼれ球を前田が左足で蹴り込んで、ついにネットを揺すった。この大会、初めての先制ゴールだ。
後半に入ってもテンポよく攻めた日本だが、ルカ・モドリッチが低い位置でボールを受け始めると、55分にクロアチアに同点ゴールを許した。日本の左サイドからのクロスに中央でイバン・ペリシッチにヘッドで押し込まれて、1-1に持ち込まれた。
出鼻をくじかれた格好になったが、ここからは一進一退。日本は64分に浅野拓磨と三笘薫を投入して攻撃のギアアップを図るものの、三笘への警戒が強くチャンスを作れない。酒井宏樹、南野拓実も投入した日本に対し、疲れの見えるクロアチアはクロスやロングボールを増やすものの、迫力に欠けた。このままともにビッグチャンスに恵まれず、延長戦へと舞台は移った。
延長戦も静かな立ち上がりになったが、その前半の終了近く、105分にカウンターで自陣から三笘がぐいぐいと運び、左からのカットインから強烈な右足のシュートを放ったが、GKドミニク・リバコビッチにセーブされた。延長後半開始からは田中碧を送り込んで押し込む時間も作ったものの、決定機には至らず。結局、このまま1-1で120分を終え、PK戦に突入した。
PK戦では南野、三笘、吉田麻也がストップされ、クロアチアも1人が失敗したものの、1-3で日本が敗れることになった。
またもやベスト8に進出できなかった日本。選手たちは涙に暮れた。森保一監督は「選手たちは世界と戦うことを同じ目線で考えられます。日本サッカーの未来、新時代を見せてくれました。ベスト16でしたが、ドイツに勝ち、スペインに勝ち、(過去の)チャンピオンチームに勝てて、追いつくのではなく追い越すことを考えれば、必ず未来は変わると思います」と信頼を寄せた選手たちを称えた。