上写真=右サイドを駆け抜けた伊東純也。1300点目のほかに「幻アシスト」も(写真◎JMPA毛受亮介)
■2021年6月11日 キリンチャレンジカップ2021(@ノエビア/リモートマッチ)
日本 1-0 セルビア
得点者:(日)伊東純也
「相手がどこであれ勝つところを意識してやらなければ」
日本代表の区切りの通算1300ゴール目は、伊東純也が決めてみせた。
後半開始早々の48分、右CKを鎌田大地がニアに鋭く送ると谷口彰悟がヘッドでフリック、ファーに送り込んだところで伊東が右足できっちりと押し込んだ。
節目のゴールの感想を求められると、驚いた表情で「いま知りました」と笑ったが、「あまり決めるタイプではないけれど、しっかり決められてよかったです」と喜びをかみ締めた。
このセットプレーは、まさにデザインされたパターンがきれいに決まったものだった。
「相手が大きいので、練習から前でニアでフリックして、ファーでオレと(植田)直通が詰めるのを狙っていました。うまくはまったかな」
伊東はこれまでは日本代表では「基本的にはセカンドボール」を拾う役だったが、所属するベルギーのゲンクでは同じようにファーサイドから入っていく形を担っていて、それが生きた格好。日本代表に新しいパターンの誕生だ。
今回はロシア・ワールドカップ以降、初めてヨーロッパの国と対戦するいい機会で、前半は苦しみながらも後半は主導権を握った。うまく工夫を仕込んだ。
「相手が5バックだったのでサイドにスペースがなくて、ちょっと難しい場面が多かったですけど、なるべく中から外に動いたり、中で受けてサイドバックを生かすような、5バック相手だとそういう場面が多くなりますね」
それを繰り返すことでジャブのように効いていき、相手の集中力がほどけてくる後半にはスペースがあちこちに生まれた。
「前半はどうしても相手もタイトについて頑張ってくるけれど、後半は空いてくると思いました。そこで自分の良さを出せたかなと思います」
64分に「幻のゴール」を導いたパスもそうだった
右サイドのスローインからボールをつないで、鎌田大地の横パスから守田英正が前線に広がるスペースを見逃さずにスルーパス、伊東が楽々と突進していった。逆サイドに走り込んだオナイウ阿道にていねいに送ると、オナイウがプッシュして、代表デビュー戦で初ゴール…のはずだったが、オフサイドの判定になった。
このほかにも右サイドで何度も攻撃を形作り、相手のラフプレーで足を痛めて76分に交代するまで、生き生きと走り回った。
「前線の選手はタレントが多いので、常に結果を出せるように、チームのためになれるようにと意識しています。セットプレーだったけれど、点に絡めてよかったと思います」
今回のシリーズの中では最も骨太の相手。この厳しさが最終予選とその先に生きてくるはずだ。
「今日も最終予選のための試合だったと思いますし、一戦一戦、相手がどこであれ勝つところを意識してやらなければいけないので、一人ひとりが成長して、勝つ意識を持ってやることが大切です」
すっかり右サイドのレギュラーになった韋駄天が、最終予選にロックオンだ。