上写真=A代表2試合目の出場となった川辺(写真◎JMPA兼村竜介)
「自分にとって貴重な存在」
日本代表に初招集された3月の韓国戦で、3-0で迎えた86分から交代出場して国際Aマッチデビュー。今回も同じ3-0の状況での途中出場となったが、62分からの出場で、プレー時間は大幅に伸びた。
見せ場を作ったのは85分だった。自陣右サイドでボールを奪うと、敵陣右サイドのスペースへと走り抜ける浅野へ長いスルーパス。カーブがかかったボールは、相手選手がスライディングしても届かない絶妙のコースでつながり、浅野はドリブルで1人をかわしてフィニッシュに持ち込んだものの、左足シュートが大きく外れて4点目とはならなかった。
このシーンについて川辺は「試合の前日から『一緒にピッチに立ったら見ておいて』と言われていた」とコメント。かつての広島のチームメイトとの関係で「(ボールを持ったら)フォワードの選手を見るようにしている。ゴールにつながりそうになったシーンで、スルーパスを通すのは持ち味なので、うまく出せた」と納得の表情を浮かべた。
このプレーには現在の広島のチームメイト、青山の影響があるという。前線への一発のパスで得点機を演出する働きを、ともにボランチでプレーしながら学んでいると語った。
「広島で青山さんの隣でプレーしているからこそ、狙うタイミングやボールの質は、見て学んできたものがある。少しでも自分のものにしていきたいと思いながら一緒にプレーしてきたので、全く一緒とは言わないですが、少しでもそういう部分を出せたのはよかった。あらためて、すごい選手だと感じる。自分にとって貴重な存在なので、もっと自分のものにしたい」
2回目の代表活動となり、「ピッチ上で海外組、国内組関係なくコミュニケーションを取っている」という。海外リーグのレベルや質について聞くだけでなく、「広島のことを聞かれて話したりして、徐々にコミュニケーションが増えている」と明かした周囲との関係性も、好プレーにつながっているだろう。
7日にはカタールW杯2次予選のタジキスタン戦が控えており、より多くのプレー時間が与えられる可能性もある。「出場時間が増えているのは、いいこと。それだけアピールする時間がある」と現状を分析し、「試合に出るからには、チームの勝利に貢献することが一番重要。チームで求められていることをやりつつ、持ち味も出せれば」と意気込んだ。