上写真=鎌田大地は日本の攻撃の中心に成長。南野拓実、大迫勇也らとのコンビネーションは見ていて楽しい(写真◎JMPA兼村竜介)
■2021年6月3日 代表親善試合(@札幌ドーム/リモートマッチ)
日本代表 3-0 U-24日本代表
得点:(日)橋本拳人、鎌田大地、浅野拓磨
「相手が嫌だなという場所に動いている」
「特に考えることもなく、体が勝手に動いたという感じです」
日本代表がU-24日本代表から奪った2つ目のゴールは、鎌田大地の左足から生まれた。41分、橋本拳人が前線に送ったボールを南野拓実がヘッドで落としてもらうと、左足に持ち出してから腰をひねってゴール右に流し込んだ。
「ルーズボールから拓実くんのところに来て、いい落としをしてくれました。2対2の状況はわかっていたので、いいトラップができて、シュート自体はボテボテでしたけどいいコースにいったと思います」
この一連の流れを、思考することなくオートマチックにやりきった。まさに「天然の感性」で生んだゴールだったというわけだ。「そういうときはいいときなんです。今日はそういう日だったのかなと思います」と肩の力をいい具合に抜いて戦うことができた。
「考えていない」という言葉はほかにも出てきて、ポジショニングについて言及したときがそうだった。
「本当にあまり考えていなくて、周りの選手を見たりはしますけど、どちらかというと相手が嫌だなという場所に動いていることが多いですね。それがうまくかみ合っていると思いますし、特に何かを考えながらという感じではないですね。他の選手とかぶらないようにとは思っていますけど」
まさしくそれが好調の秘密なのだ。5月28日のミャンマー戦でも、相手が格下だったとはいえ、相手に触られないような場所にするりと潜り込んではボールを受けて、決定的なパスを送り込んでいった。それは、この日も同じ。
攻撃の流れを生み出す味のあるプレーは、いわば弱みを強みに変換したものだ。
「選手みんなが僕の位置取りを見て気を使ってかぶらないようにしてくれていると思うんですけど、僕のプレースタイルもあってフィジカルがない分、ポジション取りを大事にしなければいけないんです。今日も真ん中で受けるのが難しいと思ったら、サイドに張ったりしてセンターバックもボランチもつけないような位置にあえていたり、そういうことは意識してやっていましたね」
大迫勇也、南野拓実、原口元気と、この日の攻撃陣は流動的に、かつ有機的につながりながら動くことができる。ミャンマー戦で先発した伊東純也もそう。日本代表に見えてきた攻撃の「型」。次はタジキスタン、セルビア、キルギスを相手に磨き上げていく作業に入る。