上写真=3月の韓国戦でA代表デビューを飾った川辺。今回の活動では、より多くの出場機会をつかめるか(写真◎小山真司)
「まずはJリーグで、もっと存在感を」
3月の活動で初めてA代表に選出されたときは、コメントを聞こうと待つ報道陣に断りを入れた上で、まず母親に電話で連絡した。2回連続の選出となった今回は「1回目より驚きは少なかったですが、2回選ばれることが、どれだけ大変かを感じていたので、うれしかったです。周りの反応も(1回目と)変わらず、喜んでくれたので、すごい舞台、すごい活動に参加できるんだと、あらためて感じています」と笑顔を浮かべた。
3月25日の韓国との親善試合で、3-0とリードしていた86分にMF守田英正との交代で出場してA代表デビュー。続く30日のカタールW杯2次予選・モンゴル戦では出番がなかったものの、海外組の選手も帰国して参加した活動の中で、いろいろなことを学んだという。
「練習から感じるスピード感、強度の高さは、普段の練習やJリーグの試合とは、少し違うレベルにあった」と振り返り、「速いだろうとは思っていましたが、自分が思うよりも速いスピードで練習や試合が行なわれていた」と語る。それを「自分に足りない部分」と認めつつ、「肌で感じることでしか、自分のものにはならないと思う。少しでも自分のものにしたいし、その差を感じるだけでも成長につながる」と意欲的にコメントした。
それを踏まえて、前回の活動以降の2カ月間にサンフレッチェ広島で「少しずつスピードを意識してプレーしたつもり」と明かし、「そういうものを、またこの舞台で感じられるのがうれしい」との思いで2回目の代表活動に臨む。「まだまだの部分も、もちろん感じることができると思うので、成長するために、いろいろと吸収したい」と力強く語った。
A代表も、並行して活動するU-24日本代表も、海外のクラブでプレーする選手が多数を占めている。「年齢的な面やプレースタイルもあると思いますが、海外に行った選手を見ると、成長スピードが格段に上がっているのは、やっていても感じる」といい、「自分も環境を変えることで、成長スピードも上がっていくと思う」と認める。
一方で「Jリーグで常に結果を出せているとは思っていない」と現状を分析。「毎試合、自分が結果を出さなければいけないという思いでやっている。練習からでも、少しずつ意識を変えるだけで成長すると思う。海外組だから、Jリーグ組だから、ではなく、今いる環境で、より成長できるようにしていきたい。まずはJリーグで、もっと存在感を出していかなければいけない」と自分に高いハードルを課した。
今回の活動では親善試合2試合と、すでに最終予選進出が決まっているカタールW杯2次予選の2試合、計4試合を行なうだけに、前回よりも出場のチャンスは増えそうだ。プレースピードに関して「いきなりスピードを上げても、ミスが増えたり、自分のプレーができなくなってしまうと思う」と自身の考えを述べながらも「自分のプレーを出すことも、周りの選手と合わせていく作業も必要。まずは自分が局面でつながって、スキのないように。そういうところからチームの一員になれるようにやっていきたい」と、チーム力を高める一助になることから始めていく決意を強調した。