「自分で答えを見つけて実行する」
日本代表2試合連続ゴールだ。
5月28日のワールドカップ2次予選のミャンマー戦、右サイドからのセンタリングにワンタッチで合わせた56分のチーム6点目。守田英正は3月30日の同予選モンゴル戦に続いてネットを揺らしてみせた。
右サイドで鎌田大地が右外に縦パスを入れてスピードアップ、伊東純也が右前に送って室屋成を走らせた。ゴール前ではファーで南野拓実が待ち構え、中央からニアに大迫勇也が走った。ゴール前にスペースができる。そこに走り込んだのが守田だった。室屋から低くマイナスに戻ってくるボールを左足でたたいた。
「うまい具合に右サイドを突破できて、数的優位でしたし、思い切って前線に飛び出したのが良かったですね。シンプルにアシストが良かったですし、落ち着いて決められました」
1月にポルトガルのサンタ・クララに移籍したあと、日本代表では3試合続けて先発だ。遠藤航のパートナーとしてファーストチョイスになりつつある。スムーズにチームに入っているのは周囲のおかげと感謝するが、器用に周りに溶け込みながら自分を出していくのは得意だ。
「自分で答えを見つけて実行することが求められているので、どっちでもいけるというのが正直なところです」
監督やほかの選手からの要求や進言を受け入れつつ、自分の感覚とすり合わせて最善のプレーを選択する作業はお手のもの。
その点で、ミャンマー戦の遠藤との連係では「航くんがビルドアップに参加しながら、2ボランチなんですけど、右左で分かれるのではなく縦関係で前に厚みをもたらすことを意識していました」がキーになった。
「どちらも攻守ともに好きでバランスがいいというのがベースにあります。昨日なら最初の段階は相手もじっくりしたくて中を締めてきましたけど、だんだん空いてきたので、ビルドアップでボランチ2人を使う必要がなくなって航くんが一人で、センターバックが持ち運んでいきました。拓実くんが中に入ると幅を取れないので、途中からそこに入るように意識して、縦の関係が見られたかなと思います」
それが、得点のシーンであの場所に走り込んでいったストライカー的な動きに結実した。だが「出してくれれば決められたシーンは他にもあった」と貪欲だ。
得点感覚に磨きがかかったのも、このポジションセンスが冴えるから。遠藤がU-24日本代表に合流するため日本代表を離れたから、ここからは代わって「ミッドフィールドの番人」として何ができるかを、自分に課していく。