上写真=鎌田大地はフランクフルトでのシーズンについて「シーズン前に、こうなるといいな、と思っていたのにだいぶ近い」(写真◎スクリーンショット)
「コンスタントにうまく数字も伸ばせた」
大事なのは「コンスタントに」というところだろう。鎌田大地が2020-21シーズンを振り返り、フランクフルト(ドイツ)でのシーズンを振り返って出てきたキーワードだ。
「コンスタントにうまく数字も伸ばせたなとは思います。でも、得点数が自分が思った通りには伸びていなくて、もう少し、あと2、3点、得点が取れていれば、もっとパーフェクトだったと思います」
安定的に結果を残すことができたことは大きい。
「僕自身がチャンスを外している部分もありますけれど、どちらかというとチームのスタイルにも比例しているかなと」
「チームとしてはすごく良いシーズンを過ごしたし、それに乗っかって自分もある程度いい成績を残せたと思っているので、総じていいシーズンだったのかなと思います」
早くもヨーロッパで4シーズンを過ごし、その経験が日本代表定着への足がかりになった。昨年10月シリーズ、11月シリーズ、今年の3月シリーズと、こちらもコンスタントに出場機会を得て、すっかり主力だ。代表でもフランクフルトと同じ、得意のトップ下を任されるようになった。
「代表ではヨーロッパの戦いと違って、ショートパスというか短いパスで、狭い距離感で、タッチ数を少なくしてプレーしているというイメージがあります。もちろんそれが日本人の良さだと思うし、それプラス、森保さんはすごくチームとしての守備のことをすごく言う人なので、やっぱり日本人はそういう部分をしっかりやります。森保さんのやりたいことと日本のサッカーというのは合っていて、そういう部分が日本っぽいのかなというふうには思います」
「最終的にはやっぱり個人の能力も必要に」
日本の緻密さはどの時代の代表チームでも武器にしてきた。
「組織的にしっかりしていて、パスの回し方も他の国の選手と違って距離感もすごく近いと思うので、ヨーロッパの選手たちからしたらすごくやりづらさというのも感じると思います」
そしていつも、次のステップで課題が生まれる。無意識にかもしれないが、鎌田もそれを感じているようだ。
「いまの感じで日本の良さをうまく出しながら、最終的にはやっぱり個人の能力も必要になってくると思うので、個人個人がもっと能力が上がっていい選手になれば、いい試合ができるんじゃないかなと思います」
個のレベルアップ。だからこそ、鎌田自身もさらなる成長を誓う。一部ではビッグクラブからの興味に関する報道もあるが、「ステップアップは常にしたい」と意欲は隠さない。だが、足元を見据えるのも忘れない。
「やっぱり、自分ってあまり点を取れるタイプじゃないなというのは改めて思いましたね。もうちょっと点を取れると思っていたし、取れなければダメだと思うんですよね、いま10番のポジションをやるなら」
課題は得点力だ。
「今年くらいの、毎年15スコアポイントくらい取れる結果が残せれるように、というのが一番ですかね」
得点5+アシスト12=17で目標はクリアした。それを来季も実践したい。
「フォーメーションやチームのやり方によってもちろん求められることが変わります。今年はどちらかというと得点を取る選手がいて、その前のシーンでアシストしたりとか、その一つ前のパスでチャンスをつくったりとか、すごくクリエイティブな部分を求められていたんです」
だから、アシストが多くなるのも必然だった。でも、それが得点であれアシストであれ、その時々のチームのスタンスに合わせたパフォーマンスでチームに創造性を還元できることこそ、鎌田の強みではないか。日本代表でポジションを手にした理由も、そんなところにありそうだ。