コートジボワール戦に向けてオランダで合宿中の日本代表、中山雄太が11日、オンラインで取材に応じた。9日のカメルーン戦で昨年6月のコパ・アメリカ以来、約1年4カ月ぶりに試合に出場した中山は、さらなる成長を誓った。

上写真=オランダ・ユトレヒトでコートジボワール戦に向けてトレーニングする中山雄太(写真◎JFA)

「今までのプレーを壊し、再構築したい」

 カメルーン戦で先発し、守備面で評価を高めた中山雄太が試合2日後、改めて取材に応じた。前回、A代表でプレーしたのは、昨年6月のコパ・アメリカ。その初戦のチリ戦で先発し、0-4で完敗。失点にも絡み、試合後には「評価するものがない」と悔しさをにじませていた。

 あれから約1年4カ月の時間を経た。東京五輪代表でキャプテンを務めるボランチは、今回の代表活動に並々ならぬ意欲を持って臨んでいる。

「(コパ・アメリカは)僕にとって苦い経験になりましたけど、今回の代表で苦い経験から、日々自分の成長を求めてやってきたことが未来につながっているんだなと再認識できました」

 成長を期し、積み上げてきたことに間違いがなかったと確認できた。代表で感じた悔しさは代表でしか払しょくできない。その意味で、カメルーン戦は中山にとって大きな意味を持った。

 ただし、勝利は手にできず、攻撃面の課題も残った。満足はしていないという。

「守備ではチームでやってきたことがここでも出せた部分が多かったと思います。ただ、攻撃の時間帯で、僕ら(ボランチ)を経由する時間はすごく短かった。そこがもっともっと長くなると、より日本の攻撃につなげられると思うので、そこは課題だと思います」

 試合中から攻撃が停滞していると感じ、修正を試みたが、なかなか実践できなかった。ボランチでコンビを組んだ柴崎岳のプレーを見ながら感じたものを多かったと話す。

「攻撃の面で、いつ(最終ラインに)落ちたらいいのかとか、試合の中でも試合を振り返っても、より改善しようという動きが見られました。僕が見た感覚と、岳くんがどう考えて動こうとしていたのかというのを、すり合わせることで先ほど言った課題も修正できると思っています」

 すでに先を見て、課題をいかに修正していく。チームのために何が出来るかを考えていた。どんな試合でも課題を見つめ、修正に力を注ぎ、自身の成長とチームの進化につなげていく。柏レイソル時代から変わらぬ、中山の姿勢だ。五輪代表でキャプテンを任されることが多いのも、その姿勢を評価されてのことかもしれない。

 今回の合宿にはキャプテンとしてお手本となる選手がいる。現代表キャプテンの吉田麻也とリオ五輪の主将を務めた遠藤航だ。彼らの存在と影響について問われ、中山は答えている。

「これと、一言で言えないくらい多くを学べていると思います。もちろん『こうした方がいい』という意見も頂くんですけど、そもそも普段の言動だったり、立ち居振る舞いだったりからも、すごく学べることが多いです。たくさんのことを学べている環境だと思います。僕自身も五輪代表に還元したいということがあるので、学べることはできるだけ盗むというか、自分のパーソナリティーだったり、サッカー選手としての成長につなげていきたいと思います」

 監督と選手の間に入ってチームをまとめ、導く役割。そして国を背負って戦うチームの主将であるという意味。コパ・アメリカの大会期間中に多くを学び、その後の成長に生かしたように、今回の活動も、多くのことを学び、成長につなげるつもりでいる。

「クラブでも意識しているのは常に高いレベルで、ということ。代表でも高いレベルで日々、得られているものが多いですが、そこを常に意識して取り組みたいと思っています。コロナによる中断期間にたくさん考える時間があったと中で、自分がさらに上に行くために考えたのは、今までのプレーを壊しつつ、また新たに強固なものに再構築したいということでした。自チームではチャレンジの年にしたいと思っています」

 コートジボワール戦も出場機会があれば、勝利のために全力を注ぐ。そしてそこで得た課題を見つめ、さらなる成長につなげていくつもりだ。中山にとって代表はもちろん国を背負って戦う誇りを感じる場だが、同時に自身の現在地を知り、さらに上にいくためにまた、自分を奮い立たせる貴重な場でもある。


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