ガイナーレ鳥取の金鍾成(キン・ジョンソン)監督が、今後のチームづくりのイメージを明かした。シーズン途中の就任後、序盤の出遅れを取り戻せなかった昨季の反省を踏まえ、開幕までの約1カ月での底上げを期している。

上写真=2月8日の練習でダッシュを何本も繰り返した鳥取の選手たち(写真◎石倉利英)

「負けない、多く失点をしないことが大事」

 鳥取は今季、1月13日から全体練習を始める予定だったが、選手と関係者が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けたため、同26日までずれ込んだ。それから約2週間、金鍾成監督はチームづくりについて「まだ練習試合もしていないので、何も見えてこない、というのが事実」と現状を説明した。

 2月8日の練習は冒頭に筋力トレーニングを行なった後、中距離から短距離までのダッシュを何度も繰り返し、ほとんどボールを使わなかった。明治安田生命J3リーグの開幕は3月12日。「まだ1カ月以上あるので、強度を高く、量を多くできるタイミング」と指揮官が語る時期のハードなメニューとなったが、新加入のDF増谷幸祐やMF田村亮介が大きな声を出して盛り上げながら、選手たちも食らいついていた。

 昨季のリーグ戦は序盤で3連敗を喫するなど、第7節まで2勝1分け4敗と出遅れ、当時の髙木理己監督を解任。後任となった金鍾成監督も就任後リーグ戦6試合未勝利と、立て直しに時間がかかった。最後の3試合で3連勝したものの、15チーム中12位という不本意な結果に終わっている。

 金鍾成監督は「積み上げるのは時間がかかる。シーズンが始まってみないと、はっきり見えてこないことがあると思う」とコメント。一方で「それが見えてきたときに、マラソンで言えばトップ集団にいなければいけない。形ができるまでに何が必要かといえば、やはり負けないこと、多く失点をしないことが大事になってくる」とシーズン序盤の重要性を強調した。

「僕の考えでは、積極的にいって負けることもある、という形で、より多くエラーを出した方がチームをつくりやすいが、そんな余裕はない。チームができたときにトップ集団から離れていて、ペースを上げても追い付かない、では意味がない」と言葉に力を込める。2年目の指揮に向けて「負けない、多く失点をしないためには、個々の意識や粘り強さ、ゴール前の守備が欠かせないと思っている」と、今後の開幕までの強化ポイントを明かした。

取材・写真◎石倉利英


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