上写真＝武藤嘉紀へのマークも厳しかった（写真◎J.LEAGUE）
■2023年10月28日 J1リーグ第31節（＠レモンS/観衆11,569人）
湘南 1-1 神戸
得点：（湘）大橋祐紀
（神）大迫勇也
「一戦一戦に150パーセントの力で」
「クロスを生かすのが自分のサッカー」と吉田孝行監督は話したが、この日はそのクロスにバリエーションがない。そのことは多くの選手が課題としてあげていて、例えば武藤嘉紀はこんなふうに振り返る。
「シュートをもっと打たないといけなかったですし、クロスが多くなりすぎて、かつクロスの質が伴わなかった。やっぱり相手のゴールを脅かせなかったのは非常に残念ですし、そこが課題になるんじゃないかなと思います」
大黒柱の山口蛍が負傷で欠場、武藤自身は前節に続いて左ウイングで先発し、後半からは右ウイングへ。最後はトップ下の位置に入ってゴールを狙い続けた。ただ、前半に湘南の勢いを受けたままでペースを完全に奪い返すことができなかったことを悔やんだ。
それは、戦術的なかみ合わせなのか、選手の意識の問題なのか。
「意識の部分じゃないですかね」と武藤は間髪入れずに答える。
「ちょっとアラートじゃない選手もいましたし、最初の5分ぐらいで2回ぐらい、相手にとってのビッグチャンスが生まれてしまったので、 入りが悪かった。ちょっと気が抜けてる選手もいたんじゃないかなっていうふうには思います」
優勝への道は険しい。だからこそ、戦う強い意志が問われている。初優勝をかけた日々の難しさだ。
「ハーフタイムは、もう本当にみんなが気を引き締めて、もう1回、望んだこと、やりたいことをやろうと話しました。そうやった結果で1点は返せましたけど、もう少し早くギアを入れなければいけなかった。相手も守りきれば勝ちだったので、その難しさはありました」
やはり先制されると試合が難しくなるが、残りは3試合しかないから、こちらが先手を取ることがさらに大きな意味を持つだろう。
「周りを見ずに、一戦一戦に150パーセントの力で臨んで、来る相手をなぎ倒していくしかない」
リーグ優勝への正念場。浦和レッズ、名古屋グランパス、ガンバ大阪と、これまでJ1優勝の経験がある3チームが立ちはだかり、神戸の力が本物かどうか試されようとしている。
