今回のU-22日本代表は、幅広い世代が選ばれているが、26日のカンボジア戦では高校生の活躍が目立った。松木玖生、甲田英將、チェイス・アンリが先発して活躍する中、途中出場で結果を出したのが、ガンバ大阪ユースの中村仁郎だった。

上写真=カンボジア戦に途中出場した中村仁郎。73分にチームの4点目を挙げた(写真◎山口高明)

得意な形に持っていった

 カンボジア戦で活躍した高校生の一人だ。先発し、ゴールを決めた松木玖生(青森山田)、甲田英將(名古屋U-18)の活躍に、ベンチで大いに刺激を受けていたという。

「中学生のときから代表活動で一緒にやっていて、昔から切磋琢磨してやってきた仲間。自分はスタートから出られなかったという悔しさもあったんですけど、あの二人が決めて自分も決めたろうと、強く思いました」

 甲田に代わって59分からピッチに入ると、切れ味鋭いプレーを披露。その強い意欲が実を結んだのは、73分のことだった。右サイドの深い位置で相手からボールを奪うと、細谷真大とのパス交換してボックス内に進入。左足のインフロントでカーブをかけたシュートを放ち、逆サイドのネットを揺らした。

「途中から(試合に)入って、プレッシャーもまあまあきつくて。久しぶりのウイングというのもあったし、仕掛け方がよくわからなかったんですけど、あの場面ではうまく相手を見ながらコースも見えたので、そこにしっかり打ち込むだけで決められました」

 細谷にリターンパスを要求し、ボールを受け取り、「得意の形に持っていった」。ゴールを生む型があるのは、アタッカーの強みだが、中村には間違いなく、その型がある。

「昔からガンバの指導者に言われていて、結果がすべての世界やから結果で見せろみたいに言われていたので。ドリブルだったりシュートだったり、攻撃の部分で結果を残すことを目標にずっとやっています」

「小学生の時は名の知られた選手ではなかった」と本人は言うが、ガンバ大阪のジュニユースに入り、以来、自らの武器を磨き上げてきた。高校1年生のときにはJ3のガンバ大阪U-23でプレーし、プロ選手たちとともに戦うことを経験。だから今回の『飛び級』にも臆するところはなかったと話す。

「ずっとガンバの試合を見ていて、宇佐美(貴史)選手が若いときだったり、その前の世代からガンバのサッカーを見てきて、ここでプロになりたいとずっと思っていたんですけど、自分のプレースタイルを、攻撃をしたいと思ったのはガンバに入ったからだと思います」

 香港戦も出番があれば、当然、ゴールを狙うつもりだ。

「ドリブル、シュート、攻撃のところで見ている人がワクワクするようなプレーをしたい」

 攻撃的なプレーで違いを生む選手になることを目指す。中村は今、その道を真っすぐに進んでいる。


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