三笘薫の所属するブライトンが現地23日、FAカップ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドと対戦した。三笘は左サイドハーフで先発。延長まで120分戦ったが、スコアレスで迎えたPK戦で6−7で敗れ、チームは敗退。40年ぶりの決勝進出はならなかった。

上写真=120分フル出場したブライトンの三笘薫。決勝進出を逃し、悔しい表情をみせた(写真◎Getty Images)

21度目の決勝進出を決めたユナイテッド

 前半からボールを握り、相手を誘い込んで何度も裏をとっていったブライトンだったが、なかなか決定機を生み出せず、ネットを揺らすことができなかった。対するマンチェスター・Uも相手のビルドアップを引っ掛けてそのまま一気にゴールに攻め込む狙いが奏功せず。互いにゴールへの意識をピッチで示したものの、スコアレスのまま後半を迎えた。

 50分過ぎからはブライトンが立て続けにチャンスを迎え、三笘のシュートの跳ね返りをエンシソがボレーで狙うなど、ゴールに迫った。マンチェスター・Uも60分過ぎからチャンスを迎え、ブルーノ・フェルナンデスの落としからマルシャルがシュートを放った。しかし、マンチェスター・UのGKデヘア、ブライトンのGKロベルト・サンチェスの好守によってスコアレスが継続することになる。

 後半アディショナルタイムには三笘が左サイドからカットインし、ワンビサカをかわしてボックス内に進入する場面もあったが、最後のところで球足が長くなり、シュートを打ち切れず。逆にスライディングしてカゼミロと接触し、イエローカードをもらうことになった。

 90分では決着がつかず、試合は延長戦に突入。延長前半の終了間際に敵陣でのボール奪取からマンチェスター・Uの10番、ラシュフォードが鋭いシュートを放ったが、GKロベルト・サンチェスのビックセーブによってまたもスコアは動かず。ますますオープンな展開となった延長後半にはブライトンも好機をつかみ、三笘が味方とのパス交換から正面突破を図った。だが、再び球足が長くなりシュートに持ち込めなかった。

 両チームとも攻めの姿勢を貫いたものの、試合は120分でも決着つかず、PK戦に突入することになった。

 先攻はブライトン。マクアリスタが右隅に決めると、マンチェスター・Uもプレッシャーがかかる中、カゼミロが冷静に蹴り込んだ。以降、ブライトンはグロス、ウンダブ、エストゥピニャン、ダンクが決め、マンチェスター・Uもダロート、サンチョ、ラシュフォード、ザビッツァが成功した。

 互いにミスなく5人全員が蹴り終えると、6人目もブライトンがウェブスター、マンチェスター・Uはベグホストがそれぞれ成功する。そして迎えた7人目。ブライトンのマーチの左足キックが右上に外れたのに対し、マンチェスター・Uはリンデレフが右上に冷静に蹴り込んで、ついに試合は決着した。

 ミッドウィークにヨーロッパリーグのセビージャ戦を戦い、中2日でこの試合に臨んでいたマンチェスター・Uは、厳しい状況を乗り越えて決勝進出を決めた。21回目のファイナル進出は、アーセナルと並ぶ最多タイの数字。相手はマンチェスター・シティ。6月3日にライバルと、今季の『国内カップ2冠』をかけて戦うことになった。

 一方のブライトンは、2019年に続き再び準決勝で敗れ、1983年以来40年ぶりの決勝進出はならなかったが、自らの特徴は発揮したと言える。ボールを積極的に動かして相手のプレッシャーをいなし、巧みに敵陣に攻め入るプレーはこの準決勝でも、大会を通しても存分に発揮されていた。試合後、スタンドから送られた惜しみない拍手は、その戦いぶりに対する称賛でもあっただろう。


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