『AFC U23アジアカップ』の準々決勝が現地25日に行われ、互いに12人が蹴り合う壮絶なPK戦の末、インドネシアが韓国を下して準決勝に進出。グループステージでオーストラリアを破った今大会の台風の目がその勢いを見せつけ、4強入りを果たした。

上写真=ベスト4進出を決めたインドネシアの選手たち(写真◎Getty Images)

ラファエル・ストライクが鮮やか2発

 先制したのはインドネシアだった。15分、ラファエル・ストライクの右足が炸れつする。左斜め45度から放ったシュートは、韓国のGKペク・ジョンボムが伸ばした右手をすり抜けてゴール右隅に決まった。

 開始8分に韓国も左FKの流れからイ・ガンヒが鮮やかなミドルシュートでネット揺らしていたが、VARが介入し、オンフィールドレビューが行われ、オム・チソンの位置がオフサイドと判断され、取り消しとなっていた。その直後の失点で韓国としてはリズムをつかむのが難しくなる展開と言えた。

 前半終了間際の45分、ホン・シフの右クロスにオム・チソンが飛び込み、ダイビングヘッドを放つ。シュートはインドネシアDFに当たって方向が変わり、そのままゴールイン。記録上はオウンゴールだったが、大きな展開から韓国が同点に追いついた。

 攻めの形を作りながらなかなかゴールを決められなかった韓国としては、前半のうちに同点に追いつき、ようやく試合の流れをつかんだかと思われた。

 だが、7分を示された前半アディショナルタイムだった。45+3分、最終ラインからのロングフィードにラファエル・ストライクが反応。韓国のGKペク・ジョンボムとイ・ガンヒが互いに見合ってボールの処理にもたつくなか、先制ゴールを記録したインドネシアのFWが左足でプッシュし、勝ち越しゴールを挙げた。

 韓国にしてみれば流れを断ち切られるようなショッキングな失点となった。

 そして67分、韓国はさらなる悲劇に見舞われる。前線からプレッシャーをかけていく中で、後半のスタートからキム・ドンジンに代わって登場したイ・ヨンジュンがジャスティン・ハブナーにアタック。体をぶつけてボールを奪いにかかると、インドネシアの10番を転倒させた。

 VARが介入し、オンフィールドレビューが行われると、ハブナーがパスを出した直後の右足を蹴った上に踏みつけていることが判明。危険な行為と判断され、イ・ヨンジュンは一発退場となった。

 10人になって1点をおいかけることになった韓国はその後、一人ひとりがハードワークして懸命にゴールを目指した。そして84分、ようやくネットを揺らす。相手のクロスをキャッチしたペク・ジョンボムがすぐさま攻撃に転じてロングカウンターを発動。ホン・ユンサンがボールを運び、チョン・サンビンがシュートに持ち込んで2−2の同点に追いついた。

 後半のアディショナルタイム、右アウトサイド、ファン・ジェウォンがウィタン・スライマンに倒されると、韓国ベンチが猛然と抗議。ファン・ソンホン監督にレッドカードが出され、韓国は延長戦を指揮官不在で戦うことになった。

 試合は120分でも決着がつかず、PK戦に突入。互いに5人が決めて迎えた6人目。先攻の韓国、カン・サンユンが失敗し、決めれば勝利の場面で、インドネシアのアルハン・フィクリもミス。その後はともに成功し続け、2巡目に突入。

 12人目の韓国のキッカーは、2人目で成功していたイ・ガンヒ。右隅を狙ったが、エルナンド・アリにストップされた。再び決めれば勝利という状況で登場したのはこちらも2人目で登場していたプラタマ・アルハン。同じく右隅を狙ったキックは見事にゴールを射抜き、インドネシアが準決勝進出を決めた。

 韓国は最後まで波に乗り切れず、PK戦でもインドネシアの勢いに飲み込まれた。この結果、五輪連続出場記録も9回で止まることになった。


This article is a sponsored article by
''.