柏対愛媛の一戦で、先制したのはアウェーチームだった。前半アディショナルタイムにMF長沼洋一のパスからFW藤本佳希が右足でゴールへ蹴り込み、愛媛が1点をリードして試合を折り返す。ところが、後半はホームの柏の反撃に遭い、60分にコーナーキックからDF染谷悠太に同点ゴールを許す。さらに、80分にはFW江坂任に決勝点を献上。愛媛は首位柏を相手に先手を奪うも踏ん張り切れず、4連敗を喫した。

上写真=33節柏戦で先発フル出場した茂木(写真◎J.LEAGUE)

■2019年9月22日 J2リーグ第33節
柏 2-1 愛媛
得点者:(柏)染谷悠太、江坂任 (愛)藤本佳希

「サポーターの皆さんが喜んでいる姿を見たい」

 愛媛の3バックの一角を担うのは、24番を背負う茂木力也だ。身長は174センチと、センターバックとしては小柄だが、ボールの動きを読んだり、相手と駆け引きして1対1を制すなど、クレバーな守備で攻撃の芽を摘む。

 7月にJ1浦和から期限付き移籍し、7月31日のJ2第25節長崎戦(○4-1)から先発フル出場を続けている。「連敗している中で厳しい状況だったし、なんとか救うことができれば」と、24節時点でJ3降格圏まで勝ち点3差だった愛媛に3年ぶりに復帰。リーグ戦3連勝に貢献するなど、一時は18位に沈んでいたチームを復調させた。

 ただ、「連勝して少しは救うことができましたけれど、また連敗してしまって……」と言うように、30節福岡戦(●0-3)から4連敗。14位まで上げた順位を33節時点で16位に下げてしまった。

 33節柏戦では先制点を奪いながら、後半に2失点を喫して逆転負け。「前半はボールを支配していたけれど、後半は自分たちのミスでピンチを招くシーンが多かったから、どんどん相手の流れになってしまったのかなと。(敗因は)自分たちの技術力の低さだと思います。普段からパスとか、一つひとつの技術レベルを上げることが大事」と、肩を落とした。

「勝つか負けるかは紙一重のところ。勝っているときは複数得点を奪えているし、自分たちがボールを保持して、相手を崩すことができていた。でも、今は(得点が)入っても1点だけとか、入らないときもあるし、そのような(複数得点を奪う)試合をできていない。自分は守備の選手なので、(失点を)ゼロに抑えたいけれど、いろいろなところで(相手に)シュートを簡単に打たせてしまったり、ペナルティーエリアの中での粘り強さが欠けて失点してしまったりしている。(愛媛は)チームとしても守備的ではないので、しっかりゼロで抑え切って『1-0』で勝つ試合は少ない。やはり自分たちは(攻撃的に)ゴールを狙うためにやっているので、1点では足りないし、2点、3点取っていかないと、勝っていけないのかなと感じています」

 それでも、「自分たちのやることは変わらない。今まで練習してきたことをどれだけ(試合で)できるかだと思っています。(次節は)サポーターの皆さんが喜んでいる姿を見たいし、しっかりホームで勝ちたい」と、翌週に控える34節栃木戦での必勝を期す。