明治安田生命J1リーグにおいて最も印象深いアシストを表彰する「月間ベストアシスト」。7月は、川崎フロンターレの左ウイング、マルシーニョのテクニカルなパスを選出した。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では今シーズンも「月間表彰」を実施、当サイトではベストアシストをピックアップして、その選手へインタビューしていく。チャンスで効果を発揮している「右足アウトサイドパス」の秘密は?

チームメートやスタッフが私のために

マルシーニョは来日して1年。「たくさんサポートしてもらえている」(写真提供◎KAWASAKI FRONTALE)

――コロナ禍に見舞われて、チームは苦しい戦いが続いています。浦和レッズに敗れ、横浜F・マリノスには劇的な勝利を収めたものの、ルヴァンカップ準々決勝ではセレッソ大阪に追いつかれて敗退を余儀なくされました。ただ、その第2戦で2ゴールを挙げるなど、個人の調子はいいように見えます。

マルシーニョ 勝ち続けられることがいいのはもちろんですけど、長いシーズンではこういうことも起こり得ると思います。どんな結果であろうと常に勝利を求めて、日々のトレーニングでいい準備を整えなければいけないと思います。ただ、あの状況の中で連戦になって、プレー強度が少し落ちてしまったことは正直あります。でもそれを言い訳にしないで、できうる準備をしっかりやっていきたいと思います。

――そんな「常に練習から」と言い続ける真面目なマルシーニョ選手のキャラクターも、日本向きかもしれません。来日してちょうど1年になりますね。すっかり日本のサッカーに順応したと思います。

マルシーニョ 来日してからしばらくプレーできない期間があって、最初はやはり難しかったですけれど、このクラブにブラジル選手がたくさんいてサポートしてもらえたおかげで試合に出ることが増えていきました。家族同士も友好関係を築いていて、自分の仕事の支えになっています。日本の環境も素晴らしくて、まだまだ成長しなければならないですから、頑張っていかなければいけませんね。

――プレーでもそれ以外でも、日本に来て変化を求めたのはどんなところでしょう。

マルシーニョ 個人的には何かを変える必要があるような状況ではありませんでした。フロンターレのスタイルは攻撃的で前に進んでいくものなので、そこにうまくフィットすることができました。チームメートの能力を考えれば、スタイルとしてオフェンシブに進めることがすべてだと思いますし、チームメートやスタッフがその能力を私のためにも費やしてくれて、そのおかげでフィットできていると実感しています。

――順位表では6位ですが、消化試合数が3試合少ないこともあって、まだ3連覇へ巻き返すことができる状況です。今回選ばれたようなアシストやゴールで、タイトルへと向かっていってください。

マルシーニョ ありがとうございます。がんばります!

取材・構成◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE / KAWASAKI FRONTALE

※本文中の数字はすべて8月16日時点

マルシーニョ MARCIO AUGUSTO DA SILVA BARBOSA◎1995年5月16日生まれ、ブラジルのリオデジャネイロ州出身。ブラジルではインテルナシオナル、フォルタレーザECなどでプレーして中国に渡り、重慶両江競技足球俱楽部に所属していた。しかしコロナ禍でリーグが中断するなどで、2021年7月に川崎フロンターレへと加わった。自慢のスピードを生かしたドリブル突破を存分に生かし、左サイドの主役になっている。背番号23は夫人と出会った日が23日だったから選んだという。173cm、64kg。