これからもサポーターと共に
――今年の夏に長くマリノスに在籍していたGKの飯倉大樹選手がヴィッセル神戸に移籍しました。優勝セレモニーでは飯倉選手のユニフォームを着ていましたね。
朴一圭 大樹くんがいたときに、自分が試合に出たときにはヘタなプレーをすればすぐにポジションを奪われますし、移籍したあとも、大樹くんに負けないプレーをしないといけないというプレッシャーが常にありました。それだけの存在ですし、大樹くんが作ってきたものを、自分なりにですけど、表現しなければ、サポーターの方にも納得してはもらえないとも思っていました。途中までですが、シーズンを一緒に戦った仲間でもありますし、感謝とか色んな思いもあってああいう行動に。
――きっとサポーターや飯倉選手にもその思いは伝わっていると思います。試合前の練習のとき、朴選手は名前を呼ばれて、スタンドに向かって左胸のエンブレムを叩いていました。あれは昔から?
朴一圭 実は最初はやってなかったんですよ。ホームの神戸戦だったかな。サポーターの声援は、本当に苦しいときに力になるんです。一緒に戦っていると実感することが多くて、そういう思いを表現したい、声援に応えたいなと思っていたら、自然とやるようになっていました。名前をコールしてもらって、拍手して挨拶するだけじゃなくて、自分なりの表現でと思って、考えたわけでもないんですけど、自然と。
――だからなんですね、あのシーンがすごく印象的だったのは。
朴一圭 マリノスのサポーターの方って、本当にマリノスを愛しているのが伝わってくるんですよ。自分は今年、チームに入ってきたわけですけど、すぐにこのクラブはいいな、好きだなって思えたし、そういう気持ちも素直に出していきたいと思います。サポーターと自分たちのどちらが欠けてもダメというか、共に戦っていきたいんです。
――来年は初めて出場するACLもあります。
朴一圭 楽しみですね。自分がどんなプレ―をできるのか。J1連覇もかかりますし、ほかのタイトルも含めて、まだまだ目指すべきものが多いと思っています。
取材◎佐藤 景 写真◎田中慎一郎、佐藤博之