東京五輪代表(U-24日本代表)の前田大然がオンラインで取材に応じた。5日に始まった静岡合宿ではしばらく別メニューでの調整が続いていたが、10日に全体練習に合流。「ここから上げていければ」と、本大会に向けて準備を進めていく。

上写真=金メダルという結果を出したいと話した前田大然(写真◎山口高明)

やっぱりゴールを取らないとダメ

 脳震盪の影響で、大事を取って別メニュー調整を続けていた前田は10日から全体練習に合流した。「約1週間くらいか、休んだので、少し体的にはきついところがありましたけど、そういうのは言っていられないので。しっかり、ここから上げていければいいかなと思います」と不安はない。「メンバーもあまり変わっていないですし、やることもチームとしてはっきりしているので、あまり変わらずいつも通り、やれれば大丈夫かな」と、特段、調整の『遅れ』を心配する様子もなかった。

 12日のホンジュラス戦に向けても、メンバー選考は「監督とコーチが決めること」と前置きしたうえで、「次の試合で行くぞと言われれば、自分自身も行ける準備はしたいと思います。自分は、しっかりいい準備をするだけ」と、プレーできる状態に自身のコンディションを上げていくつもりだ。

 今回のメンバーでは前田のほか、上田綺世と林大地の3人のFWが選出されている。定位置を争う関係だが、「今はもうライバルと言うよりか、チームとして勝たないと金メダルと取れないと思うので、一致団結してやれればいい」と前田は話す。3人ともがチームのために団結し、力を発揮する状況が望ましいと話した。

 FWとして力を発揮するとはすなわち、ゴールを挙げることだ。「大地も綺世も同じことを言っていると思いますけど、やっぱりゴールを取らないとダメだと思うので、目に見える結果を出せればいいかなと思います」。他の選手には圧倒的なスピードを武器に、前田はチームへの貢献を誓う。

「自分はスピードが持ち味なので、それこそイーブンな、前に蹴ってヨーイドンというのができるというのは(周りの選手に)伝えていますし、長いボールでも出せる時があれば出してほしいというのは伝えています」

 それぞれがそれぞれの特長をチームのために発揮すれば、おのずと金メダルに近づいていく。前田は、こうも言った。

「チームとして優勝しないとしっかりした結果とは言えないと思うので、優勝を目指したい。そして個人としてはゴールだったり、アシストだったりを、しっかり残していきたい」

 日本が誇る韋駄天、前田大然。覚悟を持って五輪に臨む。