高地ラパスのホームアドバンテージ
前日会見に出席したオスカル・ビジェガス監督(写真◎舩木渉)
ボリビアには圧倒的なホームアドバンテージがある。というのも、国内最大の都市ラパスは標高
3600メートル強、ブラジルと対戦した隣町エル・アルトの標高は4100メートルを超えている。空気の薄い場所での試合になると強豪国の選手たちも大いに苦戦し、かつてはアルゼンチン代表のリオネル・メッシがボリビアでの試合中に嘔吐したこともよく知られている。
そうした地理的優位も活かしながら、ボリビアは南米予選のホームゲームでブラジルの他にチリやコロンビア、ベネズエラ、ペルーを打ち破って勝利を重ねてきた。今回の日本戦では高地の優位性こそないものの、個の力量差を埋めるハードワークを武器に戦ってきそうだ。
なお、南米予選では4-3-3を基本システムに戦っていたが、10月に行ったヨルダンやロシアとの国際親善試合では3-4-2-1もテストしていた。11月14日の韓国戦では再び4-3-3で戦って0-2の敗戦を喫したこともあり、来年3月の大陸間プレーオフを想定する中で4バックか3バックかどちらのシステムを採用してくるか予想が難しいところがある。
ただ、システムが何であれ日本にとって付け入る隙は必ずある。ビジェガス監督は「ボリビア代表は、ボールを持った時にはすぐに前線に蹴り出すのではなく、できるだけ中盤でボールを保持しながら戦うことを目指すチーム」と述べ、試合のポイントを次のように話していた。
「明日も中盤でのボールポゼッションを意識していきたいと思います。また、攻撃面ではチャンスがあれば決め切る決定力、守備面での集中力が不足するようなことがないように気をつけていきたいです」
こうしてボール保持を重視していても、南米予選などでは相手に押し込まれる試合も多かった。日本にもボールを持たれる時間が長くなるはずだ。ハイプレスに晒された際の技術的な耐性にやや難があり、自陣でボールを失ってショートカウンターを食らうとディフェンスラインのチャレンジ&カバーが間に合わなくなって2人目、3人目の連動したアクションについていけず崩れるシーンが多く見られた。
南米予選では18試合で35失点を喫しており、これは10カ国の中で最も多い数字。韓国戦で平均年齢23.5歳の若いチームを送り出すなど、若手重視のチームづくりを進めるビジェガス監督が守備面の課題を修正できているかが勝敗の鍵を握るだろう。