右の翼は森下龍矢が有力か?
オーストラリア戦の前日会見に臨んだ森保監督と遠藤航(写真◎サッカーマガジン)
一方の右ウイングバックは、森下龍矢、関根大輝、平河悠、佐藤龍之介らが候補に挙げられる。今回は攻撃的に戦う狙いから森下の先発を予想。長身ぞろいのオーストラリアDFの特長を踏まえると、ゴール前で高さ勝負に挑むのは分が悪い。受け手のタイプも関係するが、低く速いクロスを得意とする森下が送り手になるのではないか。実際、トレーニングでも右からクロスを供給するプレーや中に切れ込むプレーを繰り返していた。
もちろん守備面を考慮すると、高さのある関根が適材と言える。放り込まれるような展開が訪れたなら、森下から関根にスイッチするケースは当然あるだろう。平河と佐藤の初招集組の出場については展開次第か。インドネシア戦の方がより出場の可能性は大きいと思われる。
2シャドーはオーストラリア戦の前日に24歳の誕生日を迎えた久保建英と鈴木唯人のコンビと予想した。3月シリーズの2試合で大きな働きを見せた久保が引き続き、重要な選手としてピッチに立つはずだ。彼もまたチームの『骨組み』を形成する一人だ。その横に並ぶのが、今回は鈴木になる。勝手知ったる鎌田大地と久保のコンビならある程度、計算は立つが、ここでは新たな形を試すとみる。鎌田は最終予選でたびたび見せてきたように、途中出場から状況に応じたプレーで試合を動かしたり、整えることができる選手。オーストラリア戦はまず新たなコンビを試し、鎌田は途中からというパターンか。
佐野航大や俵積田晃太もシャドー候補ではあるものの、初招集組をオーストラリア戦でいきなり先発させるとは考えにくい。まずはトレーニングを通じてコンセプトの共有に務め、途中出場を経て力を示して先発争いに加わっていくのが理想的な流れだろう。
1トップは大橋祐紀、町野修斗、細谷真大の3人が候補。最も予想が難しいポジションだが、練習では大橋の動きが目立っていた。大橋がまずは先発し、展開次第で町野か細谷につなぐ形になるのではないか。オーストラリアの守備陣を崩すには、相手を背負って収めるよりも、一度前線から引いてビルドアップに参加し、ボックス内のスペースに鋭く入り込んでいくような動きが効果的だ。その点、大橋ならタスクをしっかり担い得る。
森保一監督は前日会見で「出場権を獲得している中で、未来に向けて選手層を厚くする、チーム力を上げていくために、これまで招集してなかった選手、再招集している選手を起用し、日本にはまだまだこれだけいい選手がいるんだというところを見てくださってる方々、応援してくださってる方々にお見せしたい」とコメントした。
W杯出場に向けて負けられない相手との真剣勝負の中で、日本の選手たちはどんな戦いを見せるのか。指揮官が言うように、「まだまだ良い選手がいる」と思わせられるか、注目だ。
取材◎佐藤景