小川航基がまたも「ゴール」をもぎ取った。11月15日の北中米ワールドカップのアジア最終予選第5戦。インドネシアを相手に35分、敵のオウンゴールを誘発する動きで先制してみせた。記録の上では自らのゴールにはならなかったが、アウェーゲームでは3試合「連発」と言ってよく、力強く勝利に導く活躍だった。

上写真=小川航基がオウンゴールを誘発して先制!(写真◎Getty Images)

​​■2024年11月15日 北中米W杯・アジア最終予選5節(@グロラ・ブン・カルノ・スタジアム)
インドネシア 0-4 日本
得点:(日)オウンゴール、南野拓実、守田英正、菅原由勢

「彩艶が前半の最初に止めてくれた」

 きれいな中央突破だった。

 遠藤航がボールを足元に収め、一拍置いてから左へ。町田浩樹が中央へと斜めに差し込むと守田英正がターン、鎌田大地が引き受けるとするりと前に持ち出して中へ。小川航基がフィニッシュを狙う直前で、相手がボールに触ってゴールに転がり込んだ。

「いい形で大地くんが抜け出して、しっかりと点を取れる位置にポジションを取れました。自分の特徴でもあるので」

 まさに、あそこにいたからこそ誘発したオウンゴールで、ほぼ小川の得点だと言っていいだろう。完全アウェーと強い雨、重い芝の影響もあって、カウンターでピンチもあった序盤の難しい展開を覆す先制ゴール。この5分後に南野拓実が決めてリードを広げたことを考えると、この最初のゴールが分水嶺になった。

 上田綺世の負傷もあって、6月の2次予選のバーレーン戦以来の先発出場となった。9月のバーレーン戦、10月のサウジアラビア戦とアウェーで2試合続けてゴールを挙げていて、この日も最前線で相手を背負いながら左右に動いてボールを引き出し、コンパクトに守るインドネシアに穴を開けた。

「アウェーでこの大歓声の中で先制点を取れたのは非常にチームとしても大きいと思いますし、何より(鈴木)彩艶が前半の最初に止めてくれたのは大きかった。自分としてもまだまだ満足できる内容ではなかったので、もっともっと自分を成長させていかなきゃいけないなとは感じます」

 鈴木が開始早々の9分に相手との1対1となる大ピンチをストップ。ここで先を越されていたらさらに難しい展開になったはず。仲間のビッグセーブと「ほぼ小川のゴール」がこの日の流れを決定づけたのは間違いない。