昨日(19日)、日本がイラクに敗れたが、東アジアの強豪国である韓国がヨルダンに苦しい戦いを演じた。FIFAランキングなら韓国の23位に対し、ヨルダンは87位。終盤までリードを許し、いわゆるアップセットの可能性もあったが、韓国が試合終了間際に得点し、勝ち点1を分け合った(ちなみに日本はアジア最上位の17位でイラクは63位)。

上写真=一時は韓国を逆転するゴールを決めたヨルダンのヤザン・アル・ナイマト(写真◎Getty Images)

タフな戦いは2−2で決着

 先制点はソン・フンミンによるPKだ。4分、ボックス内でパスを受けようとしたところをエッサン・ハダッドにスライディングで倒された。VARでPKを獲得すると、これをソン・フンミン自らがパネンカ(チップキック)決めて韓国が先制。1点をリードした。

 だが、ここからヨルダンがタフな戦いを披露する。声援をバックに推進力を発揮し、前へ前への姿勢を打ち出していった。

 36分の左CKの場面ではヤザン・アル・アラブに合わせたボールがパク・ヨンウのオウンゴールを誘い、同点に追いつく。スタンドが沸きにわく中、前半のアディショナルタイムには逆転ゴールが決まった。

 45分+5分、ムサ・アル・ターマリのシュートの跳ね返りをヤザン・アル・ナイマトが右足でダイレクトボレー。スタンドが再び割れんばかりの大歓声に包まれた。

 前半のうちに逆転に成功したはヨルダンは攻撃ではよく走り、守備では体を張ってゴールを守った。終盤は互いに足が止まってオープンな展開になり、攻守が目まぐるしく入れ替わることになったが、サポーターの熱い声援に背中を押されたヨルダンは、必死になって守った。

 だが、韓国も必死の攻めを見せると、11分と表示された後半アディショナルタイムにゴールをつかむ。折り返しのパスを受けたファン・インボムがボックス左からシュートをねじ込み、ついに同点に追いついた。

 同点に追いついた韓国が圧力をかけて何度もゴールに迫ったが、ヨルダンも粘り強く対応。アディショナルタイムを含め、110分あまりの激闘は2−2の引き分けに終わった。

 この結果、グループEは勝ち点は同じ4ポイントながら得失点差で2点上回るヨルダンが首位、2位が韓国となった。韓国がグループステージ3戦目のマレーシア戦で勝利を飾り、ヨルダンもバーレーンに勝利した場合、韓国が得失点差でヨルダンを逆転しなければ2位抜けの可能性が出てきた。つまり、グループDを2位で抜ける可能性のある日本と、ラウンド16で対戦する可能性がなくなる。

取材◎佐藤景