23日、いよいよ日本代表が初戦のドイツ戦に臨む。大会前にケガ人が続出し、概ね回復傾向にあるものの、まだ不安が完全に払しょくされたわけではない。積み上げてきたものを出し切るために森保一監督が選ぶ11人とは?

上写真=ケガ明けの状況や試合から遠ざかっていることを考えると守田と冨安の先発は難しいか?

カナダ戦を欠場した冨安の出場はあるか

 ドイツ戦前日に行われた公式会見の席上で森保監督は、「26人全員がそろってトレーニングできていますし、明日のドイツ戦に向けても、今日の練習が終わってみなければわからないことがありますけど、現段階では全員そろって、全員が戦えるメンバーとして考えられる、いい状態になっています」とコメントした。

 額面どおり受け取れば、チームの前日練習で他の選手と同じメニューをこなした守田英正も出場できるということになる。練習が冒頭15分のみの公開だったため、最後まで全体練習に参加していたかどうかは分からないが、守田自身も「体の部分は100パーセントに近い状態。合流が遅れたので心肺機能が心配ですけど、戻ってこれてよかった。(左ふくらはぎの違和感は)もうないです」と状態について説明した。ただし、心肺機能については「マックス」まで戻っていないとも話した。

 また、冨安健洋も練習冒頭のボール回しに参加しているものの、万全な状態にあるかは確認できていない。

 さて、グループステージ突破に向けて最重要とされる大会初戦で森保監督は誰をピッチに送るのか。以上の状況を踏まえつつ、メンバーを考えてみたい。フォーメーションは4-2-3-1とした。

 GKは権田修一。カナダ戦にフル出場した事実が指揮官のファーストチョイスであることを示しているのではないか。同試合はコンディション調整試合であったことを指揮官は明かしており、今月12日にベルギーリーグの試合を戦ったシュミット・ダニエルを起用せず、今月5日を最後にプレーしていなかった権田を起用した。狙いは試合勘を取り戻すためだ。カナダ戦では権田とDFのハイボールの処理に関してうまくいかない場面があった。それゆえに高さを理由にシュミットを起用する可能性もなくはない。ただ、指揮官はカナダ戦後の囲みで「出場時間を見れば、(これまで)権田がファーストで出ていると思いますし、ワールドカップ予選を振り返ってみると、彼がスーパーセーブをして守ってくれたおかげで2次予選も全勝できた。最終予選においてもいい形で予選を突破することができたと思いますので、そこは基本的に考えながら、最後の調子というものを見て(決める)」と話している。最後尾は権田に任せることになりそうだ。

 DFは4バックで右から酒井宏樹、吉田麻也、板倉滉、長友佑都。選考について議論となるのは、左CBと左サイドバックだろう。カナダ戦で負傷明けの板倉滉は67分間出場。問題なくプレーできることを示している。一方で冨安健洋の状態は読めないところ。万全であれば、ドイツ戦とスペイン戦でプレーすると思われるが、前述の通り、コンディションの見極めに重きを置いたカナダ戦に出場しなかった。そのことを考えればやはり出場は難しいのではないか。負傷を負った11月3日のヨーロッパリーグ・チューリヒ戦から試合間隔が空いていることも気がかりだ。ドイツ戦に出場すればぶっつけ本番ということになるからだ。CBは板倉と吉田のコンビになると読む。

 左サイドバックは長友と予想した。ドイツとの対戦では、相手の左サイドバック、ラウムから送られるボールに対して、中に絞って競り合うことを求められるので、高さのある伊藤洋輝が起用されるケースも十分に考えられるが、W杯の経験と1対1の粘り強い守備を評価する指揮官は歴戦の左サイドバックに据えるのではないか。長友はドイツ戦前日に髪を赤く染め、気合いを入れていた。