女子サッカー競技のパリ五輪への出場権が懸かるアジア最終予選第2戦が2月28日に行なわれた。日本女子代表(なでしこジャパン)は北朝鮮女子代表と東京・国立競技場で対戦。2万人を超える観衆が詰めかけた注目の一戦は、前後半に1点ずつ奪った日本が2点をリード。その後に1点を返されたものの1点差で逃げ切り、パリへの切符を勝ち取った。

上写真=日本は26分に高橋が先制点! 最後は1点差を守り切った(写真◎Getty Images)

■2024年2月28日 パリ五輪・アジア最終予選第2戦(@東京・国立競技場:観衆20,777人)
日本女子 2-1 北朝鮮女子
 得点:(日)高橋はな、藤野あおば
    (北)キム・ヒェヨン

2-0から失点も1点差で逃げ切り

 現地時間2月23日にサウジアラビア・ジッダで行なわれ、0-0の引き分けに終わった第1戦を経てのホームでの第2戦。日本は第1戦の4-3-3からフォーメーションを変え、DF熊谷が3バックの中央に入る3-4-3でスタートした。

 第1戦よりもパスワークのテンポが良くなった日本に対し、北朝鮮もロングパスを効果的に使って攻め込み、一進一退の攻防が続いた。22分には北朝鮮のFKから日本ゴール前で混戦となるも、相手のシュートを懸命にブロックして難を逃れる。

 セットプレーのピンチをしのいだ日本は26分、逆にセットプレーから先制点を奪う。MF北川が左サイドからゴール前に送ったFKを、熊谷がヘッドで合わせようとしたボールがエリア内左サイドへ。FW上野が頭で折り返したボールをFW田中がヘッド、クロスバーに当たったこぼれ球をDF高橋が左足で押し込んでネットを揺らした。

 その後は北朝鮮が前への圧力を強め、セットプレーなどで日本ゴールに迫った。前半終了間際には日本の左サイドから攻め込まれ、センタリングをMFチェ・クムオクが合わせたシュートが日本ゴールの枠内へと転がる。失点かと思われたが、GK山下が懸命に足を運んで右手を伸ばし、ゴールライン上でボールをかき出して難を逃れた。

 守護神のスーパーセーブで前半を1-0で終えた日本だが、後半も立ち上がりから攻め込まれる。粘り強く対応して追加点を狙うものの、敵陣に入ってからのミスが多く、なかなか良い形を作ることができない。上野に代わって出場した清家のスピードを生かした攻めも見せるが、決定機には至らなかった。

 それでも76分、日本は少ないチャンスを生かして追加点を奪う。右サイドへのスルーパスに反応したMF清水が、相手DFをかわしてニアサイドへセンタリング。飛び込んだFW藤野がヘッドで合わせ、リードを2点に広げた。

 日本は81分、エリア内へのスルーパスから失点して1点差に詰め寄られる。その後も北朝鮮の反撃を浴びたものの、5分と表示された後半のアディショナルタイムを守り切り、2-1で試合終了。「選手たちがタフに戦ってくれたし、何より、今日ここ国立で応援していただき、背中を押していただいた皆さん、本当にありがとうございます」と感謝した池田太監督は、「このタフな環境で勝ち抜いたことはチーム、選手たちを成長させてくれる」とパリでの本番を見据えていた。

▼出場メンバー
・日本女子:GK山下杏也加、DF高橋はな、熊谷紗希、南萌華、MF清水梨紗、長谷川唯、長野風花、北川ひかる(89分:古賀塔子)、FW藤野あおば、田中美南(89分:植木理子)、上野真実(63分:清家貴子)