上写真＝アジアの頂点を目指して大会に臨む長野風花（写真◎山口高明）
取材・構成◎日々野真理 写真◎マイナビ仙台レディース、山口高明
選ばれていない時期は悔しかった
――まず今回のアジアカップのメンバーに選出された気持ちから聞かせてください。
長野 率直にうれしいですし、楽しみな気持ちがありますね。
――初めてなでしこジャパンに選ばれたのは、2018年のことでした。そこから間が空いて、昨年の秋に招集。その間、なでしこジャパンへの思いはどんなものだったのでしょうか。
長野 なでしこジャパンは、もちろんずっと目指している場所でした。選ばれていなかった時期は悔しかったですし、世界の舞台で活躍したいという思いもありました。でも、選ばれない期間も焦ることはありませんでした。日々をしっかり積み重ねてサッカーに向き合ってきて今があると思います。まずは自分が成長することに集中していました。
――久々の招集はやはりマイナビ仙台レディースでのプレーが評価されてのことだと思いますが、その点についてはどう感じていますか。
長野 今プレーしているマイナビ仙台は、守備も攻撃もアグレッシブに人がかかわりながらゴールを目指すというサッカーをしています。その中で、自分の役割は攻撃にかかわり続けることもそうですし、チームのスピードやゲームをコントロールするところ。評価は分かりませんが、自分のチームでプレーしている姿を見てもらって選んでもらえたとしたら、そのプレーが評価されているのかなと。
――2021年に仙台に加入するまで、いくつか移籍を経験しています。その中で2018年にＵ—20女子ワールドカップで優勝する前に、長く過ごした浦和レッズレディースから韓国の仁川現代製鉄に移籍しました。あらためて何を求めて移籍を決断したのか、聞かせてください。
長野 自分にないものを得たい、少しでも自分を成長させられるクラブでプレーしたいということを重視しました。韓国に行ったのは、レッズに長い間いたので、その環境に慣れていた部分があったからです。対戦相手が同じなかでプレーするよりも、韓国にはフィジカルの強い外国人選手もいますし、そういう部分も大きかった。異なる環境で自分に何ができるのか、試してみたいという気持ちもありました。
――実際にプレーした感想は？
長野 日本でプレーしていた頃よりも、相手からプレッシャーの速さや球際の強さを感じることが多かったです。そこでボールを奪われないように、自分の判断の早さやボールの置きどころなど、細かく意識してプレーするようになったと思います。いま振り返ると、やっぱり行って良かったなと思いますね。
――そのほかにも韓国での経験によって変化はありましたか。
長野 韓国では、筋トレをやる量が多くて、パワーや球際の強さなどはそれ以前に比べて出てきたと感じました。試合で言うと、中盤の戦いで負けてしまうとチームの勢いや流れも変わってきてしまう。だからそこは負けないように意識してプレーしているのですが、まだまでですけど、その点で成長できたと感じました。
――移籍は、自分の成長を求めて、ということですね。
長野 はい。