鹿児島ユナイテッドFCの金鍾成監督は、連勝にも満足していなかった。ガイナーレ鳥取を下して上位との差を縮めたものの、昇格争いへの本格参戦に向けては、さらなる加速が必要だと考えている。

上写真=鳥取戦でテクニカルエリアから指示を送る金鍾成監督(写真◎石倉利英)

■2020年10月7日 J3リーグ第20節(@Axis:観衆691人)
鳥取 1-3 鹿児島
得点:(鳥)田口裕也
    (鹿)馬場賢治、枝本雄一郎、三宅海斗

2位との勝ち点差が5に

 10月7日の明治安田生命J3リーグ第20節で、鹿児島ユナイテッドFCはガイナーレ鳥取に3-1で勝利。2-1とリードして迎えた後半は、ゴール前までボールを運ばれるシーンもあったが、際どくしのいで迎えた試合終了間際に追加点を奪った。

 金鍾成監督は試合後のオンライン会見で「相手のサイド攻撃に対して、基本的には前線からプレッシャーに行きたかったのですが、全体のラインが下がると、やっぱり押し込まれる形になり、ゴール前を守ることになった」と振り返った。それでも前節に続く連勝を飾り、7位から6位へと順位を上げている。

 第13節からの3連勝で5位まで順位を上げたものの、第16節からの3試合は1分け2敗で勝ち点を伸ばせず、9位まで後退して昇格圏内の2位との勝ち点差が11まで広がった。しかし前節、ホームで藤枝MYFCを2-1で下すと、今節はアウェーで鳥取に勝利。順位が上の相手に連勝し、2位との勝ち点差も5に縮まった。

 勢いを取り戻しつつあるように見えるが、それでも金鍾成監督は「我々は、まだまだ背水の陣だと思っている」と厳しい表情を崩さなかった。頭一つ抜けている首位のブラウブリッツ秋田を除き、上位は混戦模様。指揮官は「追い込まれた状態から一歩でも押し返さなければ、というゲームが、まだまだ続くと思います」と今後を見据える。

 次節は10月11日、再びアウェーでFC岐阜と対戦する。ホームでの第7節で対戦したときは0-4の大敗。金鍾成監督は「岐阜も調子は良い。自分たちの形はあるにしても、1点差でも勝ち点3を取らなければいけないゲームだと思っている。(試合まで)間はないですが、全力を出していきたい」と一戦必勝を誓った

現地取材・写真◎石倉利英